概要
こんにちは、マネーフォワード福岡開発拠点でバックエンドエンジニアをしている大坪です。 福岡開発拠点では英語化の推進が日に日に進んでおり、英語で会議をする機会もますます増えてきました。ちなみに私のチームでは会議は基本英語です。
不慣れな言語での会議は非常にストレスと不安がかかるものです。特に慣れるまでは相手の言葉を聞き取るのに必死で、自分の意見を話すのも難しく、最終的には議題についていくことすらおぼつかなくなる、という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。 何もわからないまま、一言も発言できないまま会議が終了すると非常に虚しい気持ちになるものです。英語力は一朝一夕では上達しませんが、我々は今日の会議をなんとか乗り切らなければなりません。
私の経験やリファレンスから英語の会議を少し楽にするお役立ちTipsを共有しますので、参考にしていただければ幸いです。
📝 会議資料を読む、作る Reading and Creating Meeting Materials
会議の開催前には事前に会議資料や会議内容を共有していると思います。英語のプロでも背景知識がないと発言の意図や真意を取り違えることがあるので、このような事前のコンテクストの共有は大事です。ましてや、英語を100%理解できない場合には、どれだけ準備できるかが会議をうまく進めるための鍵と言っても過言ではありません。会議資料を作って何の話をするかを明確にしておけば、多少英語の聞き漏らしがあっても何の会話か推測できて、かなり楽になります。
もし、初めから英語で資料を作成するのが大変なら、日本語で会議資料を作って、それをAIを使って翻訳してもいいです。また、英語の資料があるなら、それを日本語に翻訳して会議の意図や使われている単語の意味を把握しましょう。 さらに、AIに資料のレビューをお願いしたり、想定質問を考えてもらったりするのもおすすめです。何の話をするのか、どんな語彙が使われているのかを事前に把握しておくと、会議がずっと楽になりますよ。
🖥️ 画面共有を積極的に利用する Actively Use Screen Sharing
オンライン会議のときは、論点をはっきりさせるために、会議資料を共有しながら意見を書き込んでいくと今何の話が行われているのかを推測する脳のリソースを外注できるので楽になります。 自分が話している時にも、今話している部分のコードやドキュメントを他の参加者に見せながら話すようにすると、話の意図がより伝わりやすくなります。もし発音がうまく伝わっていないなと思ったら、チャットに文章を打って伝えれば、他の参加者の誰かが気づいて助けてくれるかもしれません。
🙂↕️ 相槌を打つ Show that you're listening
相手の目を見て相槌を打つと相手もどこまで通じているのかわかって安心しますし、発言している人にとっても話しやすい雰囲気ができます。 わかってない時には質問をしたり、「わかってない風の相槌」を打ったりすることで「ついていけてないです!」感を出しておくと追加で説明してもらえることもあるので、積極的に使っていきましょう。オンライン会議だとやや相槌のタイミングが難しいのが欠点ですが、その場合は大きめに頷くなどしておきましょう。また話す時にも、身振り手振りはいつもより大きく!がポイントです。
わかっている時😎
- "I see." (なるほど)
- "That makes sense." (納得です)
- "I understand." (理解しました)
- "Agree." (同意します)
わからない時🤔
- "Could you clarify that point?" (その点をもう少し詳しく説明してもらえますか?)
- "Sorry, I couldn't catch that. Could you say that again?" (すみません、聞き取れませんでした。もう一度言っていただけますか?)
- "I'm not quite sure I follow. Could you explain it differently?" (よくわかりません。別の言い方で説明してもらえますか?)
- "Would you mind going over that again?" (もう一度説明してもらえますか?)
- "I'm having trouble understanding this part." (この部分が理解できないのですが)
I don't understand you はすこし高圧的に聞こえてしまう恐れがあります。”あなた”に問題があるのではなくて、”あなたの話している内容”が難しい、もしくはこちらの理解がまだ足りていない、という伝え方をすると丁寧になり、相手も受け取りやすくなります。
⌛️ ゆっくり時間をとって話す Take Your Time to Speak Slowly
会議中、自分の発言を待ってもらっていると焦ってしまって、早口になったり、言いたいことをうまくまとめられなくて逆に長くなってしまったりすることもありますよね。でも、みんなの発言は平等に扱われるべきだし、あなたが話そうとしている時に待ってくれない人はいないはずです。会議に参加している人たちはあなたの意見を歓迎していますし、母国語じゃない言葉で仕事をする大変さはみんなよくわかっているはずです。
アドバイスとしては、ゆっくり考える時間を取るために、文章と文章の間に使うフレーズをあらかじめ決めておくのがおすすめです。そのフレーズの間に話すことを考える時間を稼げますし、黙っているよりは沈黙が怖くなくなります。発音する時もゆっくり大きく発音したほうが、たとえアクセントに少し癖があっても聞き取りやすくなります。
文章と文章の間を埋める
- "I mean..." (つまり...)
- "Let me think..." (ちょっと考えさせて...)
- "What I want to say here is..." (ここで言いたいのは...)
- "In other words..." (言い換えると)
自分で話しながら自分の説明がわかりにくい・話が別の方向に行きすぎてしまったと感じる時(よくある)は以下のフレーズで軌道修正を図りましょう。
軌道修正を図るフレーズ
- "What I'm trying to say is..." (私が言おうとしているのは...)
- "In other words..." (つまり...)
- "Let me clarify that..." (それを明確にさせてください)
- "Here's what I mean..." (私が言いたいのはこれです...)
- "To clarify..." (明確にするために...)
🏋️♂️これまでの理解を話してみる Share Your Understanding
相手の話が長くなってきて途中で英語の集中力が切れて何の話をしているのか、理解が吹き飛んでいくことがありませんか。私はしょっちゅうです。 日本語の会議でもやることもあるのですが、これまでの自分の理解を話してみましょう。ずれていたら指摘してもらえますし、会議自体の論点の確認にも使えます。
これまでの理解を確認する
- "To ensure we're on the same page..." (同じ理解をしているか確認するために...)
- "To summarize what we've discussed so far..." (ここまで話した内容をまとめると...)
- "If I understand correctly, you're saying that..." (正しく理解していれば、あなたが言っているのは...)
- "Let me make sure I've got this right..." (これが正しいか確認させてください...)
- "If I'm wrong or there are discrepancies, I'd like you to point them out..." (間違っていたり、相違があれば教えてください...)
💬 質問する Ask Questions
わからないことを「わからない!」というよりは、どの単語がわからなかったのかを聞けるようになるとすごく良いです。でも、「聞き取れた単語の方が少ないんだよ!」という気持ちも、よくわかります。
本当に何も聞き取れなくて困っている時も、「I don't understand, Sorry」よりも、「Are you talking about this? Or that?」と、とりあえず聞き取れた単語一つからでも、相手の気持ちを想像して話題を絞り込んでいきましょう。質問がすごく的外れだとしても、頑張って理解しようとしている姿勢を見せることが、相手への尊重のサインになります。
ついつい曖昧な笑顔でごまかしたくなるかもしれませんし、私も難解な英語の話題や、込み入った実装の話になるとついていけなくなって黙り込んでしまうことがあります(ごめん)。でも、ごまかしは必ずツケが回ってきますし、そもそもごまかせてないことがほとんどです! 相手が話している最中でも、わからなくなったタイミングで質問しましょう。話している側としても、どこまで理解してもらえているかを知ることは安心につながります。一生懸命長文を話した後で、「何もわからなかった...」と言われると、話した側もがっかりしちゃうので😇 話の途中に割り込んで質問することは話し手にとってありがたいことです。もし話しているのに質問が一つもなかったら、「逆に本当に理解してもらえたのだろうか?」と心配になってしまいます。話を途中で遮ることは最初は勇気がいることだと思いますが、大丈夫、すぐに慣れます。わからなくなった時は途中でも構わないので質問しましょう!
疑問点を質問する Ask Questions
- "What do you mean by 〇〇?" (〇〇とはどういう意味ですか?)
- "Are you saying that ... ?" (...ということですか?)
- "I'd just like to confirm, what you mean 〇〇 here is that ...." (確認したいのですが、ここで言っている〇〇は....ということですか?)
- "I'm sorry to interrupt, but what does 〇〇 mean?" (話の途中ですみませんが、〇〇とは何ですか?)
- "How does this relate to our topic?" (これが我々の議題にどう関係していますか?)
- "How can I say it in English?" (英語ではどう言えばいいですか?)
疑問点や不明点は、会議の場で質問して解決するのがおすすめです。会議中に質問するのが恥ずかしい時は、後からDMなどでこっそり聞くのもありですが、会議には他にもわかっていない人がいることが多いので(他の人の質問で助かった経験、あるよね)、質問することで他の人も助かります。初歩的な質問だったとしても、質問すること自体が他の人の質問を誘発して、より活発な議論につながることもあります。私も自分の発音が微妙だったり、欲しい単語が思い出せないまま質問して会議を止めてしまうことがよくあります。一緒に頑張りましょう〜!
💪 最後に精神論:辛いのは辛い みんなそう It's Tough, But It's Tough for Everyone
ここまでコツを話してきましたが、そもそも母国語ではない言葉で自分の意見を伝えたり、相手の意図を汲み取ったりするのはすごく大変で疲れる作業ですよね。特に最初はめちゃくちゃ疲れて当たり前です。私も学生時代に留学していた時、授業の最初は英語が聞き取れていたのに、後半になると集中力がどんどんなくなって、最後には全然聞き取れなくなることがよくありました。当時はこっそり録音して後から聞き直したりしていましたが... 英語を使い続けると疲れることを考慮して、なるべく連続で会議を入れないなど、できる範囲で工夫してスケジュールを組むのがおすすめです。この疲労感や集中力が続かない問題も、日々英語を使い続けていればだんだん楽になります。
体調やコンディションによって英語がうまく話せなかったり、なかなか聞き取れない日があるかもしれません。 そんな時に、「母国語でやればずっと楽なのに」と思うこともたくさんあると思います。 マネーフォワードには様々な国籍・母国語を持つメンバーが在籍しており、英語が母国語のメンバーばかりではありません。 大多数のメンバーは母国語ではない言語で、時には文化の違いを受け止めて、コミュニケーションを取ろうと日々工夫と努力をしています。 そのように母国語で会話するという手段を持たないメンバーも多い中、困ったときに日本語という母国語でコミュニケーションできるというのは、ある種の特権だと思います。その特権に頼りすぎず、でも無理しすぎないバランスを見つけていきたいですね!