Money Forward Developers Blog

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僕と日本語のストーリー(前編)

はじめに

こんにちは、「MoneyForward Pay for Business」事業の英語化リード、シンガポール出身のリム・ベネディクトです。

普段は、Android開発を担当しながら、クライアントグループ(モバイルとフロントエンドをまとめるチーム)のリーダーを務めています。

全社的にエンジニア組織の英語化が進んでいる中、福岡拠点に非日本語話者がいないため、英語を使うきっかけを作れず、英語学習へのモチベーションが上げづらい、様々な難しい課題に直面しています。

個人の英語能力に応じて、英語研修を受けるメンバーもいるため、更にワークショップなど別の企画を強要したら、負担が大きすぎる懸念がありました。 そのため、新しい取り組みを導入する前に、慎重に検討すべきではないかと思っていました。

それでも、私が他国語を習得した方法を気になる方が何人かいます。 そこで、思い付いたのはブログで、興味がある人は読むし、自分のペースで読める為、最初は自分の経験をブログに書いたら良さそうだと思いました。

ただ、関心の話をする前に、私の背景を説明しないと話がわかりづらいと思うので、前編を用意してみました。 文章をまとめるのが苦手なので、長くなりましたが、最後まで読んでいただけたら嬉しいです!

生まれ育ちはシンガポール

シンガポールは多民族国家です。英語が公用語ですが、自分のエスニシティの言語も覚えなければなりません。 私は中華系なので、中国語も小・中学校で習いました。

民族によって、英語の発音(アクセント)が違うので、小さい頃から耳が慣れていました。 他民族の人と話すときに、自然に話し方も変えるようにしていました。

日本の職場では、標準語(イントネーションを含む)を使わなければなりません。 そのため、国内のどこかに移住しても、だいたいは大きな問題がないだろうと思います。(東京と福岡しか住んだことがない私の勝手な意見ですが)

ただ、英語に関しては、住む環境によって無意識にアクセントが付いてしまうので、変えたくてもなかなか変えられません。 映画と音楽などポップカルチャーを通して、アメリカ英語が世界の基準になっていますが、周りにいるのはアメリカ人だけではありません。

それぞれの国の人(弊社だと最も多いベトナム人とインド人)を理解するために、聞き分ける力が必要。そこが、英語でのコミュニケーションの難しさ。

日本と日本語にハマったきっかけ

初めて日本に旅行したときに、いい意味で驚きばかりでした。景色がとても綺麗だし、食べ物がすごく美味しい。ここまでは他の国でも同じことを言えますが、最も印象的なのは日本人の「思いやり」でした。

お店でこんなに丁寧なサービスを受けたことがなかったし、街でも他人同士の態度と配慮に関心を持ちました。 例えば、シンガポールの電車で優先席に若者が座ったら、年寄りの方に容赦無く大声で叱れることがあります。その反面、日本で優先席を年寄りの方に譲ったら、控えめな声で「すみません」・「ありがとうございます」と言ってもらったことに、不思議に思いました。

その後、何度も日本に旅行したくなり、行く度に更に日本を好きになりました。日本語も勉強したかったですが、難しそうなので、最初は躊躇していました。 その中で、ある日に、日本が好きな仲間がこっそりと一人で日本語を勉強しはじめたことを知ってしまい「こいつには負けたくない!」と火が付いて、ようやく一歩踏み出しました。(もちろん、その人と違う学校に行きましたが・・・)

こんな些細なことでも私の未来に繋がったので、毎日の出来事がどんなに小さくても、新しいことに挑戦するきっかけになるかもしれません。

上達には「環境」と「興味」

「Step Out of Your Comfort Zone」という言葉があります。自分が慣れた環境から外に一歩踏み出すという意味です。 日本に住むと英語をあまり使わないし、むしろ日本に住む外国人が日本語を覚えなければならないので、英語の必要性を感じない人が多いでしょう。

子供の習い事のランキングに、英語が毎年必ず入っています。 ただ、海外留学をしたりインターナショナルスクールに通ったりしなければ、国内だと日常場面で実践する機会が少ないので、英語がなかなか身につかないと思います。

そのため、自分の子供を英会話教室に通わせていません。 家では子供に英語を話していましたが、日本の幼稚園に通うようになったら、英語に対して聞き取りができなくなり、興味も全くなくなりました。 そこに気づいたのは、やはり「環境」が最も重要なこと。

置かれた状況で、人間が成長する

どうしても日本に住みたかったので、私には「やめる」という選択肢がありませんでした。 私の場合、母国から日本への転職でなく、日本人の新卒と肩を並べて現地で就職活動をしました。

しかし最終面接で「日本語をもう少し勉強したほうがいい」と言われ不合格となったり、日本語能力試験N2資格を「大したことない」と言われたり、辛いことがたくさんありました。

けれど、プランBを用意しない。逃げ場がないのなら前に進むしかない。追い込まれると本来の力を発揮するので。こんな思いからなんとか乗り越えることができました。

小さいことでも幸せを感じる

大学の勉強がとても辛く、成績がなかなか伸びず落ち込む日が続いていました。 その中で、週一の日本語レッスンが救いでした。成績を気にせず、ただただ習い事を楽しめば良いので、私にとって毎週のハイライトでした。

当時は、日本のドラマが好きだったので、俳優のセリフが少しずつわかるようになって、ほんのわずかでも自分の成長に喜びを感じました。 それから、なんだかんだで母国で日本語学習が4年も続いていて、いつの間にか日本に暮らしていました。

好きな洋楽を綺麗に歌いたい。好きな洋画を日本語字幕なしでも見たい。海外の友達と英語でペラペラに話したい。 そのような思いが一つでもあれば、大きな原動力になると思います。

おわりに

新しい言語を話せるようになるのは、新しいプログラミング言語を習得することより、はるかに難しい。 プログラミング言語は、書き方が違ってもプログラミングの基礎理解があれば、すぐに慣れるでしょう。

でも、同じ文章は言語によって、文法の順番が逆になったり言葉がもちろん違ったり発音も全く異なります。 小さい頃から母国語が無意識に身に付くので、その潜在意識を意図的に変えることが難しいです。

ただ、せっかくマネーフォワードで英語をしっかり学習できる環境が用意されているので、前向きに学習に取り組んでいただけたらと思います。 コロナの流行でIT業界はリモートワークが一般的になったため、日本にいながらアメリカにある企業のために働くことが可能という時代になったので、英語を覚えておくと世界がだいぶ広がります。

日本語学習に対する心境について記事を書きました。 後編に、習得する方法を紹介しようと思います。

段階的に計画を立てていたわけでなく、じっくり考えたことがなかったので、振り返ってみて「こういうことをしたんだ」というように気づく程度になりそうですが、参考になられたら嬉しいです。

ここまで読んでくださってありがとうございました。 では、また次回で!


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