NLP2023に参加してきました！ - Money Forward Developers Blog

こんにちは、Money Forward Labで研究マネージャーをしているうぇるだん(@sk-welldan) です。今回は先日Labでスポンサーブースを出展したNLP2023(言語処理学会第29回年次大会)の参加報告をします。研究者目線からの報告は、同じくLabの山岸が書いてくれましたので、よければそちらも合わせてご覧ください。

NLP2023とは

日本最大の自然言語処理に関するカンファレンスです。国内の自然言語処理研究者が各々の研究成果を携えて集まり、熱い議論を繰り広げます。会期は5日間(オープニングと研究発表4日間＋ワークショップ1日)で、その間参加者とスポンサーの交流を促進するイベントがいくつか行われます。

Money Forward Lab 沖縄に立つ

さて、まずは会場のようすです。沖縄本島の宜野湾市というところにある、沖縄コンベンションセンターが会場です。空港からは車で30分ほどの場所にあり、路線バスかタクシーで向かいます。大会側でシャトルバスも用意してくれており、私はそちらを利用させていただきました。(便利！！)

13時過ぎに現場到着。

東京からだと朝5時に起きて自宅→空港→会場でもこの時間なので、朝に弱いわたしは前乗りすべきだったなと後悔しましたが、センター入り口の石垣に沖縄を感じ、会場入り前にテンションはMAXです。

コンサートも行われるくらい大きな会場に、展示棟内にポスター発表とコーヒーブレイクエリア、スポンサーブースがまとめられていました。実際に約1週間の会期を過ごしてみて、このように大きな空間に複数のエリアがまとめられているの、とてもいいなあと感じました。

良かったポイント - ポスター発表を見に来たり、コーヒーブレイク中の参加者がついでにスポンサーブースにも遊びに来てくれた - 今回マネーフォワードからに発表が2件ともポスター発表だったので、応援しに行きやすかった - 会議後の交流会も同じ棟で行われたので、移動の手間がなく、楽だった

初日: ブース設営とスポンサーイブニング

頑張って設営していきます

完成！

ブース設営が終わったら、いよいよオープニングです。今回はオンライン・オフラインのハイブリッド開催のため、Zoomで配信しながらの開会式でした。発表件数も参加者数も過去最多となり、最近の自然言語処理に対する注目度の高さを感じました。

オープニング後は招待論文、そしてスポンサーイブニングとイベントが続きます。スポンサーイブニングはブース出展するスポンサー企業と参加者の交流を促進するもので、私たちブース運営チームとしては会期中最も大きなイベントともいえます。初日にして最大のイベント。早起きしたのでもう眠いよ...なんて言っていられません。

スポンサーからのメッセージトーク、エイサー演舞(沖縄っぽい！)、交流会という流れで進みます。まずスポンサートーク。はい、代表で登壇させていただいたんですが、早速やらかしてしまいました。意気込んで持ち込んだロゴパネルを逆さまに持って壇上に上がるなんて、ものすごい大失敗です。本当に土下座ものだったのですが、ある意味皆さんの印象に残ることができたようで、次の日以降も少し声をかけられたりしたので、結果的には良かったかもしれません。（証拠写真をここに貼るのは憚られるので、興味のある方はTwitterの投稿で確認してください...）

スポンサートーク後は再び展示棟に戻って交流会です。エイサー演舞を鑑賞したり、Orionビール(ノンアルコール)を飲みながら、大会参加者や他のスポンサー企業の方々と歓談しました。会場いっぱいに人が入っていて、4年ぶりのオフライン開催ということもあって大会実行委員の方々もとても力を入れてくれているなと感じました。ここでも、パネルの件をいじられましたが、この時点ではもう、NLP界隈の研究者とほとんど面識のないわたしとしては、逆に顔を覚えていただけて美味しいかも？と思って開き直っていました。懺悔します。

珍事件もありましたが、無事に1日目を終えることができました。

2日目〜: 大会本番

興奮冷めやらぬまま迎えた2日目。この日から一般発表が始まります。国内の学会に参加したことのある方はご存知かと思いますが、学会での発表形式は主に2パターンあります。 1つはスライドを投影しながら行う、口頭発表(オーラル)です。だいたい持ち時間10分程度で、自身の研究について発表を行い、その後質疑応答の時間をとります。いくつかの研究をまとめたグループごとに座長がモデレートしてくれます。もう1つはポスター発表です。この形式では、印刷したポスター(大体A0サイズ)を会場に持ち込み、決められた場所にポスターを貼って待機します。聴講者は貼り出されたポスターの前を歩き、興味のあるタイトルの前で発表者から説明を聞きます。

マネーフォワードの発表者は3日目と4日目にそれぞれポスター発表を行いました。

発表①「FAQ チャットボットの誤りタイプの類型化と自動分類の検討」(山岸) ■発表日時・形式 3/15(水) 14:20〜　ポスター発表(Q8-2)

■発表概要チャットボットの導入組織では、回答用のFAQ集の継続的な改善が重要です。 FAQ集の改善では、既存のFAQ集の内容やサービス機能等を把握して各誤答事例に適した改善策を選定しますが、機能増加等につれて選定が難しくなります。本研究では、誤答事例の誤りタイプを整理し、各タイプの改善策をまとめました。また、誤りタイプの自動分類に必要な特徴量もまとめ、改善策選定の自動化を検討します。

発表②「トリプレットのBetter Negative Sampling によるTextEmbedding の学習とテキスト分類」(満石) ■発表日時・形式 3/16(木) 11:00〜　ポスター発表(Q11-5)

■発表概要分類問題を解くには分類器としてfinetuningするのが一般的ですが、クラス数が多いなど特徴的なデータセットの場合はクラスタリングのようにtext embedding+類似度を使う方法もあるのではないか、試してみようという発想から本研究を行いました。データセットの性質を変えた場合の比較・分類器としてfinetuningした場合との比較は今後の課題ですが、本研究ではtext embedding+類似度を使う手法における精度改善を行いました。

両発表とも、1時間半の発表時間中ずっと聴講者が途切れず、大盛況でした。

スポンサー展示のブースにも、多くの方が遊びにきてくださいました。アンケートや、発表者のポスターに興味をもってくださる方が多く、頑張って準備した甲斐があったというものです。

とくにアンケートには、130名以上の方が回答してくださり、面白い結果になったのではないかなと思います。

ブースに来てくれた方向けに用意したパンフレットやノベルティも好評でした。とくにコーヒーは裏面にちょっとした遊び要素を追加したので、いい感じに皆さんの知的好奇心を刺激できたようで、話が弾みました。(アイデアくれたken11ありがとう) コーヒー裏面のことが気になる方は、ぜひこちらの記事にも遊びに来てください！

初日の大失敗はありましたが、会期を通して発表・ブース共に多くの方に来ていただき、マネーフォワードでもNLPやってるよ！がアピールできました。発表を聞いてくださった皆さま、ブースに足を運んでくださった皆さま、そしてホスピタリティあふれる大会運営を行っていただいた実行委員の皆さま、本当にありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いいたします！

おまけ

その1: NPL2023振り返り会を行いました！

大会終了から約3週間後の4/5(水)にマネーフォワード本社ビルで、振り返り会を行いました！募集枠35席+は早々に埋まり、会場のキャパシティの関係で数名の方にはご参加いただけませんでした。すみません😭

当日のプログラムは以下の通り。大変豪華な顔ぶれとなりました！発表してくださった皆さま、ありがとうございます。

プログラム	登壇者(Twitterアカウント)	所属	概要
オープニング	うぇるだん(@sk_we11dan)	Money Forward Lab	-
LT①	山岸駿秀(@hargon24)	Money Forward Lab	スポンサーブースの様子、発表内容の紹介
LT②	満石風斗(@futo_mitsuishi)	Money Forward	大会全体の雰囲気、気になった発表の紹介など
LT③	木山朔さん(@rudo_halo)	東京都立大学	大会全体の雰囲気、気になった発表の紹介など
LT④	山本悠士さん(@Mt_B00Ks)	東京理科大学	大会全体の雰囲気、気になった発表の紹介など
LT⑤	三田雅人さん(@chemical_tree)	サイバーエージェント AI Lab	発表内容の概要と研究時のこぼれ話
LT⑥	佐藤敏紀(@overlast)	LINE
懇親会	！！全員！！	-	飲み食いしながらLTへの質疑やフリートーク
エンディング	-	-	-

本大会のレベルの高さ、そして現地参加の楽しさを思い出させてくれる、素敵なLTでした。懇親会でも、いろんな方と話そう！とみなさん積極的に移動＆お話しされていました。本当に「オフ会」という感じの雰囲気で、終始盛り上がっていたと思います。(司会冥利につきます涙) Twitterなどでハッシュタグ #nlp_mf を検索していただくと、参加者の発信を見ることができますので、ぜひそちらもチェックしてみてくださいね！