Money Forward Developers Blog

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今さらだけどドラッカー風エクササイズ、やってみました

はじめに

皆さんこんにちは、ERP開発本部 福岡第一開発部 Guardianグループの@tosite(てっしー)と申します。
普段はCRE(Customer Reliability Engineer)的な立場から、クラウド経費の保守・運用や運用改善などを推進しております。

突然ですが、皆さんは「ドラッカー風エクササイズ(以下、ドラエク)」というものをご存知ですか?
「アジャイルサムライ」の著者であるJonathan Rasmusson氏が提唱した、チームビルディングのためのプラクティスです。

チームメンバー同士で以下の4つの質問に答え、それを共有することでチームの結束を高めることができると言われています。

  1. 私の得意なこと
  2. どうやってチームに貢献しようと思っているか
  3. 自分が大切にしている「価値」
  4. チームメンバーが私に対して抱いていると思う期待値

詳しくは以下のブログなどをご覧いただければと思いますが、問いがかなりハードで、物によっては答えづらい質問もあります。

https://www.agile-studio.jp/post/apm-drucker-excersize:embed:site https://agilewarrior.wordpress.com/2009/11/27/the-drucker-exercise/:embed:site

そこで、私たちのチームは以下のスライドを参考に「ライトな」ドラエクを取り入れ、実施することとしました。

上記のスライドとの差分は以下のとおりです。

  • 赤色の付箋を削除: 各自の名前分のシートを作ったので不要になった
  • 紫色の付箋を追加: ともに働くうえで価値観は知っておきたかったため、「自分が大切にしている『価値』」を追加した

なぜやろうと思ったのか

Guardianグループに新しいメンバーが入り、チームとして円滑に働くためのチームビルディングを行いたいと考えたからです。
私はリーダーをやっていることもあり、自分自身の期待値がどこにあって、メンバーからどういう期待をされているのか、うっすらと理解をしているつもりです。
また、その期待値に沿えるような立ち居振る舞いを心がけているつもりですが、全てのメンバーがそうであるとは限りません。

そこで新しいメンバーだけでなく、今いるメンバーにも改めて自分が想像する期待値と周りからの期待値を共有することで、チーム全体の結束を高めることができるのではないかと考えました。

当日の流れ

当日は以下の流れで進めました。
ちなみに参考までに、今回は5人で集まってオフラインでの開催となりました。
当日はお菓子を用意して、楽しくワイワイできる雰囲気を作りました。

内容 時間 詳細
チェックイン 5分 ドラエクについての説明や開催する目的などを説明する
各自記入 20分 各種付箋を記載する時間(当初10分だったが最終的に20分に延長した)
発表 25分(一人5分) 個人個人の4つの質問と、メンバーがその人に期待することをそれぞれ発表する
感想 15分(一人3分) 「メンバーがその人に期待すること」を受けて、一人ひとりがそれに対しての感想を述べる
クロージング 5分 ドラエクをやってみて得られたことややってみた感想、今後取り組みたいことなどを述べる

各自記入

各自記入セクションでは、各種付箋に以下の内容を記載しました(ちなみに今回はmiroを利用しました)。

  • 緑: 自分の得意なこと・強み(一人3つ)
  • 紫: 自分が大事にしている価値観(一人3つ)
  • 青: メンバーが自分に期待していると思うこと(一人3つ)
  • 黄: 他メンバーに期待すること(メンバー一人につき3つずつ)

自分自身のことについてはスムーズに記載できていましたが、他メンバーに期待することはなかなか筆が進まないメンバーもいて、結果的に倍の時間が必要になりました。
リーダー業をやっているメンバーならともかく、それ以外のメンバーにとっては他メンバーに期待することを考えるのは難しいのかもしれないという気付きがありました。

うんうん唸りながら、最終的に出来上がった私の表が以下です。

ドラッカー風エクササイズの結果が記載されている。自分の期待値やメンバーからの期待値など、たくさんの意見が書かれた付箋が貼られている。

ちなみにやってみてのふりかえりですが、ここは自分の記載パートと他メンバーへの記載パートを分けてもいいかな、と思いました。

発表

発表セクションでは、まず個人が自分自身の「自分の得意なこと・強み」「自分が大事にしている価値観」「メンバーが自分に期待していると思うこと」を発表しました。
その後、各メンバーからその人に期待することを言い合いました。

あるメンバーは、例えばドキュメントの整理など、チームをよくしていくための草の根活動をしています。
そのメンバーに対してのフィードバックとして「その活動がチームにとって助かっている」という声が上がりました。
本人は、周りからそのように活動を高く評価してもらっているとは思っていなかったようで、意外な発見とともにモチベーションが上がったそうです。

ちなみに私は普段から自分の期待値や得意なこと、やるべきことを周囲のメンバーに伝えているので、自分の期待値と周囲の期待値はほぼ一致していました。
私にとっては新しい発見はなかった反面、常日頃から自分の意識していることが周囲の期待値と一致していることを再確認できたので、結果的にいい機会になりました。

感想

一通り全員の発表が終わったら、次は感想戦です。
各メンバーそれぞれが「他メンバーからの期待値」を受け、感じたことや今後どうしていきたいかを自由に述べました。

ここのパートになると、参加したときよりも心なしかみんなの顔がイキイキとしているようでした。
おそらくそれは自分自身の中で思いもしなかった新しい役割を見つけたからなのだと思いますが、この新しい発見によってチーム全体の結束が高まったのではないかと感じました。

クロージング

最後はクロージングです。
各メンバーから参加してみた感想を言ってもらいました。

軒並み「参加してよかった」という好印象の感想が飛び交っていましたが、その中には「自分が周りから求められている役割を再認識できたので、今後の業務に活かしていきたい」といった意見や「今後のチームの目標を決めるうえで各メンバーの得意なこと・やりたいことをすり合わせることでもっと自律的なチームが作れそう」といった、私の当初の目的を越えた意見もありました。
その意見を聞くことができ、やってみてよかったと思うとともに、これからも定期的に開催していきたいなと感じました。

参加したメンバーからの感想

いいね(@hiyorineko
ドラエクを通して、普段の業務を積み重ねていく中でなんとなくやっていたことが実は強みとして認識されていると分かったのが面白かったです。
自分の思っている強みがちゃんと強みとしてチームに認識されていることの確認ができるだけでなく、自分の知らない強みを見つけられることは、今後も自分のキャリアを重ねていく上で重要な軸となると感じました。
またドラエクを通してチームメンバーの強みを一覧化できるため、「この辺は役割が空いているからやってみよう」といったチャレンジの種が見つけられました。
今後もメンバーが増えたり期が変わるタイミングだったりで実施できたらいいなと思います。

渡邊(わたしょー)
自分の強みを再認識することができました。
「自分が周りから期待されていると思っていること」と「周りが期待していること」の違いも知ることができて、これからの目標の指針となりました。
「自分の思っていること・周りへの期待」がぼんやりとしていましたが、それを具体的な言葉に落とし込めたことがとても良かったです。

澤亀浩弥(サワー)

自分が考えていたこと以外にも、チームから期待されていることを知ることができ、新たな発見がありました。
また、チームメンバーのみんなが自分の普段の取り組みをしっかり見てくれていることに少し驚きました。
自分の得意なことや考えをアウトプットする機会を通して、チームから求められていることが明確に理解できたため、ドラエクが実施されて本当に良かったと思っています!

しまむー
初めてのドラエクでしたが、次回の開催がすでに待ち遠しいほど楽しかったです!
チームの新人として参加しましたが、ジョイン直後ではなく2ヶ月後という、メンバーや業務に対する最低限の理解がある中で行えたのも良かったです。
きちんと言葉にして見える形にして伝えることで、チームメンバー同士の相互理解が一段階深まったと思います。
いただいた私への期待の方向性もより明確になったので、この機会を糧にさらに業務の改善に活用しようと思いました。

終わりに

今回は、新メンバーが入ったことをきっかけに、チームビルディングのためにドラエクを取り入れてみました。
結果としてチーム全体の結束を高めることができ、メンバーのモチベーションが高まったのを感じました。

私はリーダーを務めていることもあり、グループの目標を考える機会がありますが、各メンバーのやりたいことや得意なこと、大事にしている価値観を取り入れることでより高いモチベーションを維持するための目標を考えることができそうで、今後も継続していきたいと考えています。
そう遠くない未来、来期のグループの目標を考える時期が訪れますが、今回みんなで出し合った価値観を大切にして、メンバー全員が「前に」進んでいけるようなチーム運営ができればと思います。


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