こんにちは、クラウド会計の開発チームでスクラムマスターをしているasatoです。
自作のふりかえりフレームワークがいい感じに機能したので紹介します 🙌 その名も「稲作(Rice Cultivation)」です。
背景
私はスクラムマスターとして、チームのふりかえりをファシリテーションする機会が多いです。当然のようにお気に入りのふりかえりフレームワークがあります。その辺は、個人のブログで語っています。
ブログでも語っている通り、私は「象・死んだ魚・嘔吐」が好きです。メタファーが想像力を掻き立ててくれます。
- 象🐘:誰も言わないので言いにくいと感じているが、大きな障害物だと思っているもの(英語の慣用句 “Elephant in the room” より)
- 死んだ魚🐟:今はそこまで気にならないが、放置すると大きな障害物になりそうなもの
- 嘔吐🤮:その他、自分の中でモヤモヤしているもの
いいですね。象で「現在」を、死んだ魚で「未来」を見つめることができます。
しかし、どうしても課題にしか焦点が合いません。改善(Improvement)も大事ですが、同時に向上(Enhancement)にも目を向けてほしい。どうにかその両方に目を向けられるメタファーでふりかえりを盛り上げられないだろうか。そうして生まれたのが「稲作」です。
現在・未来のゲイン・ペインに注目できる「稲作」
こちらが稲作の全体像です!上下左右に4分割されています。それぞれ紹介します。
- (左上:現在のゲイン)収穫:今成長するために、今すぐ獲得したいもの
- (右上:未来のゲイン)田植え:未来で収穫するために、今から取り組みたいもの
- (左下:現在のペイン)害虫:今すごく困っていて、今すぐ取り除きたいもの
- (右下:未来のペイン)冷害対策:未来で困らないために、今から対策しておきたいもの
いいですね!メタファーの効果を感じますね!そしてシンプルです👏
この4つの枠にアイデアを書き出してもらいます。私たちのチームはMiroを使っているので、付箋オブジェクトを貼り付けていました。
おすすめの進め方は、ゲイン側(上2つ)とペイン側(下2つ)を書き出す時間を明確に区切り、ゲイン側から書き出す方法です。ゲインとペインを一度にやるとポジティブとネガティブのコンテキストスイッチで集中が削がれます。ペイン側からやるとネガティブな思考回路に支配されゲインを出しにくくなる傾向があります。
チームからのフィードバック
実際にやってみたチームからのフィードバックは以下のとおりです。
- 👍 「現在のゲイン」の観点でふりかえることができていなかったのでよかった
- 👍「今何をするべきか」に注目できた
- 👍 フレームワークに当てはめて考えることでチケットを起票しやすくなった
- 👍 ゲインに焦点を合わせることでポジティブな気持ちになれた
- 👍 ゲイン側があることでチームがよりよくなるためにどうするかを考えることができ、チームが前進している感じがした
- 🤔 左に収穫、右に田植えがあるので、時間軸的に頭がこんがらがった
概ね好評をいただきました 👏
感想
フィードバックにもあるように、付箋をいっぱい書き出してもらうことができました。やはりメタファーの力は偉大。
今回驚いたのは、議論のトピックにゲイン側の付箋が多く取り上げられていたことです。今までもKPTや帆船などポジティブ・ネガティブの両方を書き出すフレームワークを使っていましたが、ネガティブ(課題)側の付箋が取り上げられることが多かったです。これはKPTや帆船のポジティブが「続けたい」になっているのに対し、稲作では「獲得したい」というメタファーが効いたからなのだろうと思いました。
まとめ この記事では、現在・未来のゲイン・ペインに注目できる「稲作」というオリジナルふりかえりフレームワークを紹介しました。稲作のメタファーを使って、自分たちが得たいもの・取り除きたいものを明らかにでき、チームからも高評価でした。内容もとてもシンプルですので、ぜひみなさんの次のふりかえりでも使ってみてください。感想お待ちしてます 😄
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