こんにちは。実家から届いた大量の梨を毎日食べ続けている、マネーフォワード HRソリューション本部(以下HRS本部) 開発推進部のZukiこと水城秀平です。「組織の士気を上げるには」「真の効率化とは」などを常に自問自答し、実践する日々を過ごしています。
7月に私の所属するHuman Resource Solution本部(以降、HRS本部)のエンジニアで、1泊2日のキャンプに行ってきました。Zoomでのリモート参加も含めると多くのエンジニアが参加するビッグイベントとなりました。この記事はそのレポートです。楽しい雰囲気をぜひ感じていただきたいです!
テックキャンプの目的
キャンプの目的はチームビルディングと組織の方向性のアラインメントです。一般的な開発合宿とは異なり、コーディングよりもワークショップ中心のイベントとなりました。
HRS本部はマネーフォワードでいち早くグローバル化が開始されており、今回のキャンプ参加者も6割がグローバルメンバーです。また、マイクロサービスのアーキテクチャを採用しているため、比較的小さいチームによって構成されています。 今までは、言語の壁とチームの壁という2つの壁によって横断的な交流は限定されていました。言語の壁によって日本人とグローバルメンバーの交流がほぼミーティング内だけに閉じてしまったり、チームの壁によってHRS本部全体で共有すべき情報が特定のチーム内に留まってしまったりすることがありました。その状況を改善するべく、チームビルディングを促進し、組織の方向性をメンバーに認識してもらうことを目的として今回のキャンプが企画されました。
キャンプのコンテンツ
- 1日目
- Value/Cultureセッション
- AIセッション
- 懇親会
- 2日目
- Lead time for changes(変更リードタイム)
- Guild制度キックオフ
- QAセッション
- BBQ
2日間を通して盛りだくさんな内容となりました。
この記事は、以下3名によるキャンプのコンテンツのレポートです。
- Kushal(Engineering Manager, India):Value/Culture セッション
- Suga(QAエンジニア, Japan):QAセッション
- Zuki(開発推進, Japan):キャンプの雰囲気
まずは1日目のValue/Cultureセッションについて、Kushalのレポートです。
Value/Culture セッションについて by Kushal
こんにちは、マネーフォワード クラウド人事管理開発グループのエンジニアリングマネージャーのKushal Gowdaです。 先日、HRS本部のエンジニアのカルチャーと実践の様々な側面に焦点を当てた2日間のテックキャンプに参加しました。この合宿で最も魅力的だったセッションのひとつが、エンジニアリングのバリューとカルチャーを探求し、議論するワークショップでした。これは単なる座学ではなく対話型のセッションで、各チームが最も会社のバリューとカルチャーを表していると信じる価値観について考え、議論し、発表するというものでした。ここでは、この洞察に満ちたワークショップを、各チームが発表した様々な価値観に焦点を当てて振り返ります。
エンジニアリングの価値観を定義する
ワークショップは、14チームに分かれて対話形式で進められました。各チームは、エンジニアリングのバリューとカルチャーを最もよく表すキーワード(価値観)を3つ選ぶという課題を与えられました。これは、マネーフォワード公式のバリューとカルチャーについて、私たちがそれらをどのように内面化し、受け止めているかを発表するものでした。 全チームが発表を行い、投票により最も良いキーワードを選んだとされるチームが表彰されました。
私のチームの選んだキーワード
私たちのチームにとって、キーワードを選定するためのブレインストーミングは、エンジニアリングカルチャーの中で核となる部分を振り返る絶好の機会となりました。議論を重ねた結果、私たちは 「Innovation」、「Grow Together」、「Automation」というキーワードを選びました。その理由は以下の通りです。
Innovation:
エンジニアリングの仕事の中心は、絶え間ない革新だと考えています。新機能の開発であれ、既存システムの改良であれ、より良いソリューションの創造に向けて私たちは絶え間ない努力を続けています。イノベーションは、急速に進化する業界において、競争力を維持し、重要な存在であり続けるための原動力です。
Grow Together:
このキーワードは、チームワークと集団的成長を重視するマネーフォワードの姿勢を表しています。従業員が互いに支え合い、共に成長するカルチャーが、意欲や一体感につながると私たちは信じています。互いに学び合い、知識や経験を共有することで、より効果的に目標を達成することができるのです。
Automation:
私たちの考えでは、自動化は効率を向上させ、ミスを最小限に抑える鍵です。繰り返しの多い単調な作業を自動化することで、より創造的で戦略的な仕事に時間を割くことができます。自動化は生産性を高めるだけでなく、アウトプットの一貫性と品質を保証します。
優勝チームの選んだキーワード
残念ながら私のチームは優勝できませんでした。優勝チームは創造的でインパクトのあるキーワードを選び、皆を感心させました。深い議論の末、彼らは 「FUN-damental」、「Belongingness」、「Danketsunity」を選びました。これらは他チームの共感を呼び、エンジニアリングカルチャーの重要な部分を浮き彫りにしました。
FUN-damental:
楽しいを意味する「FUN」と原則を意味する「Fundamental」を巧みに使ったこの言葉は、エンジニアリングカルチャーの中核にあるのは、仕事と楽しみのバランスであることを強調しています。彼らは、楽しみを仕事から切り離すのではなく、むしろ日々の仕事と一体化させ、前向きで魅力的な職場を促進する環境を提唱しました。
Belongingness:
このキーワードは、組織の一体感と帰属意識を高めることの重要性を反映しています。従業員が帰属意識を感じれば、積極的に貢献し、効果的に協力し、会社の目標にコミットする可能性が高まります。
DANKETSU-UNITY:
「団結」と英語で団結を表す「Unity」を組み合わせたこのユニークな言葉は、強い連帯感と団結力を表しています。私たちのエンジニアリングは、一致団結した方向性、共通の関心、そして相互リスペクトによって成り立っています。
キーワードに対する考え抜かれたアプローチと、それを社内での実践に結びつけている点が評価され、彼らはこのワークショップで1位に輝きました。また、彼らの発表は、創造性とカルチャーへの理解の深さでも際立っていました。 このワークショップが真に洞察に満ちたものであったのは、他のチームの発表を聴いたこともあります。各チームがエンジニアリングの価値観について独自の見解を持っていたため、豊かで多様な議論が展開されました。
様々な価値観を知ることができた
各チームによる発表は、私たち全員が同じコアバリューの下で働いていても、そのバリューが実際に何を意味するのかは、それぞれが独自の解釈を持っている可能性があることを強く思い起こさせるものでした。このワークショップにより、カルチャー理解を深めるだけでなく、チームや役割によって価値観がどのように異なるかを理解することができました。
各チームが多様な視点を共有することで、私の所属する組織のカルチャーの豊かさが浮き彫りになり、マネーフォワードのバリューが、経験や役割が異なる人々にどのように響くのかを知ることができました。
まとめ
※一番右が筆者のKushalです
このワークショップは、よいコラボレーションが、価値観の多様な解釈をいかに引き出せるかを示す好例となりました。全員が自分の考えをオープンに表現し、エンジニアリングカルチャーについて理解するための良い機会となりました。この活動を通して、私たちは組織の価値観の広さと深さをさまざまな角度から見ることができ、最終的にこれらをより理解できました。
Kushalが当日の熱気あふれる様子を伝えてくれました。 続いてQAエンジニアのSugaに、2日目のQAセッションについてレポートしていただきましょう。
QAセッションについて by Suga
こんにちは、HRS本部QAエンジニアのSugaです。 2024年7月に栃木で開催された社内研修のテックキャンプに参加しました! 今回、HRS本部全体のエンジニア合宿は初めての開催ということで、皆さまにも本活動をご紹介できればと思っております。
テックキャンプは2日間にわたり開催され、寝食を共にしながら学ぶことで相互理解も深まった研修となりました。 本レポートでは私の所属部署であるQA部がホストを務めたQAセッションについてフォーカスしたいと思います。
QAセッション
QAセッションの内容は、同値分割法と境界値分析にフォーカスした練習問題に取り組むものでした。 参加者はチームに分けられ、私を含めたQAメンバーは各チームに均等に配属されました。
HRS本部QA部長 岩本の司会により同値分割法と境界値分析の解説後、個人 / チームで練習問題に取り組みました。
↓個人ワークの後、チームセッションへ
チームセッションの時間では、エンジニアに多くの観点を共有してもらい、各々が普段、どこに注意を払っているかお互いに知ることができました。 また、以下のような基本的なセキュリティ対策やコード内でのエラーハンドリングなどの観点を、技術的な視点を交えて聞くことができ、自分にとって良い勉強の機会となりました。
- セキュリティ
- 外部からの悪意ある行為によってファイルが漏洩しないかどうか
- パフォーマンス
- アップロードの処理速度など
- エラーハンドリング
- アップロード処理が途中で停止した場合の再開処理を含むエラーハンドリングについて
私は普段、QAとしてユーザー目線で操作した際のエラーハンドリングやメッセージ表示などを考える傾向にあります。同じ機能に対しても、様々な立場から異なるアプローチをすることで、包括的な品質保証に繋がるのではないかと感じました。
※解答例は以下の通り
境界値の洗い出しでは、QA / エンジニア問わずチーム全員がすぐに値を洗い出すことができており、チーム全員が普段からきちんと境界値など基本的な部分を意識しながら仕事に取り組んでいることを改めて感じることができました。 今回は複数の問題に各3〜5分と短い時間で取り組んだため、各々の意見を深掘りして聞くことができなかったのは残念でしたが、限られた時間の中でも多くの意見を共有できたことは大きな実りとなりました。
他のQAエンジニアの感想も載せておきます。
- Aさん(Japan)
- テストについて開発メンバーと考える機会が得られたのはとても有意義でした。
- 開発メンバーにとても積極的に意見を出していただき、ほとんどのディスカッションは白熱して時間内に収まりませんでした。
- 「品質について考えるのはQAの仕事」という思いにとらわれず、今後もすべてのメンバーと一緒に品質について考える機会になったと感じました。
- Iさん(Japan)
- テストに関する知識を学ぶ機会として有意義だったことに加えて、テストの意識を開発と共有できたことが良かったです。
- ユニットテストにも関わる部分だと思うので、今後もこういったワークショップを開催して品質に対する意識を高めていけたら嬉しいです。
- Kさん(Vietnam)
- 開発チームが同値分割と境界値分析のテスト技法を知り、シフトレフトなテストとして適用するのに役立つ、本当に有益なワークショップでした。
- 開発フェーズに入る前に、注意深く検討することで、十分に要件を明確にすることが大切であることを思い出させてくれました。
- Mさん(Vietnam)
- テスト時のマインドセットをイメージするために非常に役立ちました。
最後に
※一番左が筆者のSugaです
初のHRS本部のテックキャンプ参加は非常に心踊るものとなりました。QAセッションを含めた2日間を通じて、チーム全員が持つスキルの高さやプロダクトへの情熱を改めて感じることができ、自分自身のモチベーションもさらに高まりました。各メンバーがそれぞれの役割を果たし、協力し合うことで、さらなる成長を目指しながら今後も品質向上に取り組んでいきたいと思います。
QAセッションについて、QAエンジニアSugaからのレポートでした。私もファシリテーターの立場でしたが、エンジニアの知識と興味の深さと広さに圧倒されながら楽しむことができました。
最後に、テックキャンプの雰囲気をもう少しご紹介したいと思います。
キャンプの雰囲気
バスでワイワイしながら研修施設へ向かいました。
サービスエリアって楽しいですよね。
ある時は真剣に、、、
またある時は楽しくディスカッション出来ました。
BBQはとんでもない暑さの中、日陰で休憩をとりながらとなりました。
自由参加の懇親会は、節度を持って楽しみました。
いかがだったでしょうか?今後も本当の意味でのワンチームになるため、マネーフォワードのエンジニアは邁進していきます。私もみんなが士気高く働けるための施策をどんどん実施していく予定です。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
※一番右が私(Zuki)です
マネーフォワードは一緒に働く仲間を募集しています。 ワクワクする職場を共に創っていけたら嬉しいです。 詳しくはこちらをご覧ください! hrmos.co