はじめに
春が終わったと思ったら一足飛びで夏が来ましたね。眩しい青空の下、暑い日が続きますが、皆さまお変わりなくお過ごしのことと存じます。 どうも、マネーフォワード ERP開発本部 ガーディアングループ クラウド経費チームのてっしーこと@tositeです。
さて、マネーフォワードでは去る2024年7月11日に、弊社CQOの高橋寿一を迎え「Money Forward Tech Event vol.2」と題した福岡開発拠点主催のテックイベントを開催しました!

👇第一回目のイベントはこちら 👇 moneyforward.connpass.com
今回は天候も悪い中、全体で20名近くの参加者にお越しいただき、大盛況のうちにイベントが終了しました。 本会だけでなく懇親会中にも熱心な議論が交わされ、参加者の皆さまが新たな気づきを得られたことを願っています。 なお、当日の様子についてはこちらからご覧いただけます 👉 #mf_fukuoka
このブログでは、登壇者がそれぞれどういうことを話したのか、当日参加できなかった方にもご紹介できればと思っております。 それでは、各登壇者の熱い想いが詰まった内容をご覧ください!
登壇内容紹介
知識ゼロから学ぶAIのテスト 信頼できないソフトウェアとそのテストのために - 高橋寿一
EPR開発本部 福岡第一開発部 Warriorグループでクラウド経費のQAエンジニアを担当しております。ゆっきー(原口)です。
私からはいち参加者として講演のまとめと感想をお話ししたいと思います。
近年、私たちの身の回りに「AI」と称されるサービスや製品は多くなってきていると感じます。
AI技術の進化は目覚ましく、その品質保証とテストの重要性も増しています。
講演では弊社CQO高橋より、今後懸念される「AIの品質保証とテストの複雑さ」を技術面、法規制、倫理・道徳的な配慮など、さまざまな角度から話してもらいました。
GDPR(General Data Protection Regulation)などの法規制やデータバイアスの問題、そしてトロッコ問題を例に、倫理・道徳的な配慮が求められる点について説明があり、非常に考えさせられました。
今までの私は、サービスのドメイン知識や基本的な法規制に関する知識は必要だろうと思っていました。
ですが、講演を聞いて、AIを扱う上で考慮するために知っておくべき知識の幅の広さと深さに圧倒されました。
「AIによる意思決定の自動化」ワードを目にして、AI技術が高度になるにつれて、我々エンジニアの責任がどんどん重くなってくることを強く感じました。
実際に私自身がそのようなAIを扱う日が今すぐ来るわけではないにしても、AIが社会に与える影響や倫理的な問題について深く理解し、適切に対処する必要があると感じ、身が引き締まる思いです。
高橋自身も、AIのテストが非常に大変であると述べた上で、既存のソフトウェアについてはシフトレフトで対応しつつ、AIの部分についてはユーザーデータによるリアルな結果を見て判断する必要があるため、シフトライトも必要であると言っていたのが印象的でした。
扱うデータによってAIの挙動が変わるという点もAIの品質保証の難しさだと感じました。
AIの存在でテストも楽になるのでは……と淡い期待を持っていた私でしたが、むしろ、QAやテスト担当者は今以上に忙しくなると思いました。
ただ、幅広い知識が必要な分、QAやテスト担当者だけで扱える域を超えているので、関係者全員で向き合っていきたいです。
まだまだ多くの課題を含んでいるAI領域ですが、それとともにやりがいも感じられる領域だと私は思います。
今回の講演をきっかけに今後も学び続け、日々の業務に取り組んでいきたいと思います。
Guardianとして生まれ変わった俺は攻めと守りの運用で無双する 〜守りの天才が考える、攻めの運用術〜 - 手島尚人 / 関琢己
手島尚人
改めまして、ガーディアングループ 経費チームリーダーのてっしーこと@tositeです。
今回は、新しく生まれ変わったガーディアングループをどのようにして「前に」進めていくか、その新しい取り組みについてチームリーダーの立場から紹介させていただきました。
「保守・運用」をやったことがある方なら、決して一言では語れないその4文字。
今回は「保守・運用」を因数分解したうえで、DevOpsを体現するべく「攻めの運用」と「守りの運用」を定義するという話をしました。
ともすれば単調な業務になりやすい「保守・運用」を、能動的に"進化"させていくためのチームの心構えを感じていただけたなら幸いです。
堅牢に「守りの運用」を貫き通すだけでなく、将来の負債を減らし、品質を通してプロダクトの信頼性を向上させる「攻めの運用」を駆使していきたいと考えています。
その両軸を武器に、一回り成長したガーディアングループとして、これからも品質の高いプロダクトを提供していけるように頑張っていく所存です。
ちなみに当日出たQ&Aをこちらにも記載させていただきます。
🤔 Q. 攻めの運用、守りの運用を定義したとして、守りの運用が100%になることはしばしば起こり得ることだと思うのですが、どうやって攻めの運用の時間を捻出したのですか?
😄 A.
実のところ、私が経費チームリーダーに就任した段階ではすでにグループリーダーの@miyamuが体制を整備していただいた後だったので、その部分の「産みの苦しみ」は味わっていません。
ですが私の思う理由として、次のことが挙げられます。
評価について
ガーディアングループでは、お客さまからの問い合わせの対応を行うことで+1点されるような評価の仕組みがあります。
そして、それに対して運用改善であったり根本原因の解消を行うとさらに+1点されるようになっています。
守りの運用が多い場合でも、問い合わせの対応を行うことで評価され、余裕があるときに改善することでプラスアルファの評価を得られる仕組みになっています。
この仕組みがあることによって、無理なく、でも攻めの運用を行うための動機づけになっていると思っています。
問い合わせガイドラインについて
また、カスタマーサポートとガーディアングループ間で「問い合わせガイドライン」を設け、必要な情報などを記載した問い合わせのテンプレート化と期待値調整を適切に行うというのもあると思います。
これらを整備することによって抽象度の高い問い合わせの数を減らし、必要な情報を明示した状態でエスカレしてもらうこと、そして問い合わせそのもののスループットを向上させることができます。
その結果、問い合わせ1つ1つの対応力を上げ、攻めの運用の時間を捻出することができるようになりました。
関琢己
初めまして、ガーディアングループ 経費チームに2024年4月にガーディアングループにジョインいたしましたせっきー(@sekky)こと関と申します。 今回の登壇では、入社してから2ヶ月経って感じた、ガーディアングループに対して思ったことをお話ししました。
保守・運用には、スキルアップが難しい、あるいは単調だと感じることがあるかもしれません。正直なところ、私自身も以前はそんな風に感じていたことがあります。 ですが、てっしーさんが紹介されていた「攻めの運用」に着目してからは、そのイメージが大きく変わりました。 ガーディアングループではプロダクトやチームに内在している課題を自発的に発見し、解決しようとすることが推奨されています。守りの運用も重要ですが、攻めの運用に積極的に取り組むことでチーム全体のモチベーションの維持向上やスキルの向上に繋がると感じています。
今回は、てっしーさんと2人で対談形式で登壇しました。 私はこれまで登壇をした経験があまりなく、特に社外向けの登壇に関しては会社の名前を背負っていることもあり敷居が高いと感じていました。 ですが、2人で登壇することによって、ハードルを下げてチャレンジできました。 このような形式は、私のように登壇に障壁を感じている方々にとって、小さな一歩を踏み出すのにちょうどよい機会となることと思います。 もし登壇してみたいけど二の足を踏んでいる方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考にしてみてください。 今後も機会があれば引き続き登壇をチャレンジしていき、ガーディアンチームのアウトプットに貢献していきたいと思ってます!
Road to Swift 6 - 篠原裕貴
ERP開発本部 福岡第一開発部 Warriorグループ モバイルアプリ開発部チーム iOSエンジニアの@shinoです。(※Warriorグループとは、主に機能追加や改善を通してプロダクトの価値を向上させることに重点を置いたグループで、スピード感を持って高品質を維持しつつ価値を届けることを目的に活動しています。) 今回は、iOS開発で使用されているプログラミング言語Swiftのメジャーアップデートに伴うコードベースのアップデートについて、近年追加された言語機能などを踏まえ紹介させていただきました。 既存のコードベースのままだと、アプリがBuildできなくなる可能性のある大きなアップデートとなりますが、翻って対応が完了した暁にはより使いやすいものになります。 iOS版のクラウド経費 1 は機能追加を行いつつ、こういった言語機能アップデートや新しいAPIを積極的に使用してアプリ開発を進めています。
Swiftに触れたことがない方々にSwiftはどのような言語なのか、iOSエンジニアの方にはSwift 6に向けてどのように対応を始めれば良いか少しでもヒントになっていれば幸いです!
iOSアプリでクリップボードにコピーしたことをユーザーに伝えるちょうど良いフィードバックを探す - 堺雄之介
Pay事業本部 カードプロダクト開発部でiOSエンジニアをしているさかいです。 今回は私が開発を担当しているマネーフォワード Pay for BusinessのiOSアプリで、カード番号などをコピーした際のユーザーへのフィードバックの改善についてお話ししました。
今回の登壇内容は、自分自身もユーザーとしてこのサービスを触る中で、ずっと課題に感じていたことでした。 カード番号や名義人をコピーする度に表示される「コピーしました」というアラートは、ユーザーの連続した操作を妨げてしまいます。 これをどうにか解消するべく複数のアプリで事例調査を行い、我々のアプリに適した方法を模索しました。 発表の最後に、ユーザーの操作を邪魔しないフィードバックのプロトタイプを紹介しています。 今後も細かい挙動にも気を配り、必要があれば改善し、より良い体験を提供したいと考えています。
イベントの様子について - 杉本至
Money Forward Tech Event vol.2にご参加いただきありがとうございます、運営の杉本いたると申します。 今回のイベントでは、足元の悪い中、多くの方にご参加いただき大変盛り上がるイベントとなりました。 弊社CQOの高橋寿一の話をはじめ、マネーフォワードメンバーの文化や普段のチームビルディングから開発の様子まで、「マネーフォワードのリアル」が垣間見えたイベントだったと思います。 ここでいただいたアンケートを紹介させていただきます。
アンケートの紹介
Q1. 本日のセッションは楽しかったですか? : Did you enjoy today's sessions?

Q2. 次回も参加したいですか? / Would you like to participate in the next session?

Q3. 会場についてコメントあればください / If you have any comments about the venue, please share them.
- わかりやすくてよかったです!
- 良い会場だと思いました!
- とても明るくきれいな会社だと思いました。
- 食事の提供がありがたかったです!
他にも、さまざまなコメントをいただいたのでご紹介させていただきます。
Q4. 次回やってほしいイベントテーマはありますか? / Is there a particular theme you would like for the next event?
- マネフォのPdMがどのような業務をしているのか知りたいです
- 次回も楽しみにしてます!
Q5. その他感想があればぜひください / If you have any other feedback, we would love to hear it.
- 最近ちょっと元気なかったのですが仕事のモチベ上がりました!
- 主に今回はQAエンジニア向けとiOSエンジニア向けでターゲットがわかれてたように思えました。なのでターゲットごとにテーマを決めても良いと思いました。
- AIやSwiftなどテーマがバラバラだったので、テーマを統一してくださった方がいいかもと個人的には思いました。
- 食事もあり、発表も面白く、進行もスムーズでとても楽しめました。ありがとうございます。
- 高橋寿一さんが来福されるのに、もっと参加者増えていいのになーと思うのでもったいないなぁと思いました。アイデアがあるわけではないので恐縮です。応援しています!
- 「知識ゼロから学ぶAIのテスト 信頼できないソフトウェアとそのテストのために / 高橋寿一」が遅れて来たので聞けなくて残念でした。
- どの登壇も興味深く面白かったです!
- すごく楽しいイベントでした!次回も参加したいです!
感想
皆さま、たくさんのご意見をありがとうございました! いただいた意見については、今後の運営の参考にさせていただきます。 特に、マネジメントやスクラム、チームビルディングをテーマにしたイベントなども楽しそうだと思ったので、次回以降どこかで企画するかもしれません。 また、マネーフォワード福岡開発拠点のイベントはどなたでもお気軽にご参加いただけますので、皆さまのモチベーションアップやコミュニケーションのためにも、ぜひご活用いただければ幸いです。 今後も様々なテーマでイベントを開催していきますので、ぜひご興味のある方はご参加いただければと思います。
おわりに
マネーフォワードでは、今後も定期的に取り組みやノウハウなどをイベントを通して発信していきたいと考えています 💪 新しいイベントについてはconnpassなどで発信していくので、ぜひフォローしてください!
最後に、マネーフォワード福岡開発拠点ではエンジニアを募集しています! イベントや登壇に興味がある方、私たちの取り組みに興味を持っていただいた方、どなたでも大歓迎です! まずはカジュアルにお話ししてみませんか?
福岡開発拠点のサイトもぜひご覧ください!