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RubyKaigi 2024 参加レポート

こんにちは。クラウド経費本部でサーバサイドの開発をしているM-Yamashitaです。
2024年5月15日〜5月17日に沖縄県那覇市で開催されたRubyKaigi 2024に参加しました!

rubykaigi.org

私にとって、オフラインのRubyKaigi参加はこれが初めてでした。イベントに参加した興奮とセッション内容についていけなかった気持ちが入り混じり、まだ収拾がついていませんが、このイベントで感じたことを参加レポートとして残します。

ブース設置 on Day 0(5/14)

弊社マネーフォワードはプラチナスポンサーとして協賛しており、ブース出展させていただくことができました。
今回のRubyKaigiでは、弊社から参加するメンバーはスタッフ業のシフトを組んでおり、前日の設営もそのシフトで組まれていました。そのシフトでは当初の設営予定人数は3人でしたが、設営開始が始まると続々とメンバーが集まり、気づけば当初のメンバーの倍以上に。ブース設営では複数並行できる作業があったので人数の多さを活かし、人海戦術で挑みました。 ブース設営

今年のノベルティの目玉は手作り推しうちわです。アーティストのライブでファンが持っている、あのうちわです。 推しうちわ

うちわを作るにはそれなりの種類のシールも必要だろうと考え、バリエーション豊かなシールをたくさん作ってきました。ただ、作りすぎてしまってスペースの少ない机上で置き場所に困る問題が発生。最終的に、カゴに載せられる分だけ出して、あとは様子を見て臨機応変にいこうという作戦となりました。 バリエーション豊かなシール

また、うちわ以外の弊社の展示物としてコードレビューを用意しました。私を含めた弊社メンバー3人が事前に作成したレビュー用コードを使い、参加者にコードの改善点や良くない点を付箋として貼ってもらう形式で実施しました。 ブースを訪れた方々は、腕を組んだり、目を細めたりしながら、どこにコメントしようかと悩んでいたようです。 コードレビューする参加者

夜には拠点を跨いだ懇親会。Slackのアイコンはなんとなく知っているけれど、普段異なる拠点で働いているため、顔や名前は知らない方が多かったため、自己紹介を兼ねて乾杯!お互いになかなか会う機会がないのでこの懇親会はありがたかったです。 懇親会

RubyKaigi on Day 1~3(5/15~5/17)

会場やブースの様子

会場オープン!初参加なので過去のRubyKaigiとの比較ができませんが、続々と押し寄せる人、人、人。この中にコミッターやXで見かける有名人、記事を書いてくれたあの人、Rubyに愛情を持つ人がたくさんいると思うと胸が熱くなりました。

弊社のブースでは、最初はちらほらと参加者が訪れる程度でしたが、時間や日が経つごとに人が増え始め、最終的には500名以上の方がブースを訪れたようです。多くの方が「このうちわはなんだろう?」といった面持ちをされており、日本国籍以外の方もうちわに興味津々だったようです。ブーススタッフとして、私たちは英語で推しうちわについての説明に苦労しましたが、来場者は楽しい表情で次々とうちわを作っていきました。 ブースの様子

初日にMatzにも来ていただき、ブーススタッフとして作って欲しいフレーズ「Matz 開発しよ」を作っていただきました!圧倒的感謝です! Matz 開発しよ

またmameさんにもうちわを作っていただきました。Day3の"Ruby Committers and the World"では、「Matz コミットしよ」といううちわをカメラに向けている姿が映されていました。目にされた方もいるのではないでしょうか。 Matz コミットしよ

Matz Keynote

RubyKaigi 2023では"30 Years of Ruby"でしたが、今年は"Better Ruby"でした。そのタイトル通り、今回のセッションではパフォーマンスに言及した内容となっており、JIT、メモリ、並列処理、開発者体験という4つのパフォーマンス側面について説明されていました。 加えて、今年のキーノートの目玉としては、Ruby 4.0に言及されたことですね。過去にMatzが思い描いていた、理想のRubyを実現するための重要な1ピースである「namespace」。これについては、tagomorisさんが現在の開発状況を共有されていました。この進展によって、Matzは「Ruby4.0を出してもいいよ」と宣言するなど、前向きな姿勢を示されました。 この発言とともに会場は大歓声と拍手に包まれました。今後のRubyがますます気になりますね。

気になったセッション

どのセッションも面白く、時折ついていけない部分もありましたが、個人的に気になったのは以下のセッションです。

Writing Weird Code

tompngさん

まずはRubyKaigi 2022でTRICK 2022 金メダルを獲得したtompngさん。Weird Codeといえばこの人ですね。
前半はtompngさんが作られたいろんなWeird Code。おそらく会場のほとんどの人が「?」となったコード。私はスライドを見ながら、これどう解釈されるの?とずっと考えていました。後半はなんとSelf TRICK 2024! しかも6つ!そのすべてが素晴らしく、どれも「なぜこうなるのか?」と疑問が常について回るものでした。
私は最初の「Most Floral」が気に入りました!画像をrubyとして動かせるインパクトが強く、思わず「うぉぉ!」と声を上げたくなるくらい大興奮してしまいました。

Long journey of Ruby standard library

hsbtさんによるRubyのライブラリの歴史についてのセッション。このセッションについては、私は事前に徹底解説記事を読んで予習済みでした。

gihyo.jp

スライド序盤は記事と被るところもあり、なるほど、とスッと入ってきていました。中盤付近からは記事にはなかったRubyの未来の話です。checksumの導入検討と背景の話を聞きながら、私は「最近はサプライチェーンアタックがあるし、それがあるとgemを差し替えられても安全性が高そう」と考えていました。セキュリティ強化のためにもぜひ入ってほしいですね。

Community-driven RBS repository

弊社所属のpockeさんによる、gem_rbs_collectionの管理手法の歴史についてです。
OSSのオーナーといえど、業務外でissueやPull Requestを捌くのは大変です。そこをいかに自動化するか、人に権限委譲するか、どこまでリスクを受け入れてコミュニティ活動を推進していくのか。この点についてpockeさんの活動の歴史から試行錯誤されてきた経験を元に話されていました。この話はOSSを管理する人にとって特に有益な情報だと感じました。

最後に

初のRubyKaigiオフライン参加は非常に刺激的な出来事となりました。Rubyを作る人、使う人、Rubyの恩恵にあずかりコミュニティや技術面でサポートする人が一体となった、濃い3日間だったと思います。私も微力ながらRubyを応援していきます。

最後になりましたが、現地で登壇してくださった方々、運営の方々、RubyKaigiに参加された皆様、ありがとうございました。
来年は愛媛県松山市で開催ですね。今からとても楽しみです。また来年ぜひお会いしましょう!! 3日間お疲れ様でした。

RubyKaigi 2025 in 愛媛県松山市