Money Forward Developers Blog

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JaSST'23 Kyushu参加レポート

こんにちは、マネーフォワード福岡拠点でQAエンジニアをしている原口(ゆっきー)です。
10月にマネーフォワードに入社して二ヶ月が経ちました。気づけば2023年もあと少し...あっという間ですね。冬になり朝夕冷えてまいりましたので、みなさまも体調を崩されないようお気をつけください。

この記事は、Money Forward Fukuoka Advent Calendar 2023の2日目の投稿です。 初日は、 popemaruさんで きっと誰かの役に立つファビュラスな旅行記でした。
本日は、11月2日(木)に開催されたJaSST'23 Kyushuの参加レポートを書こうと思います。

はじめに

先日の弊社ブログにもございましたが、マネーフォワードは今回ゴールドスポンサーとして応援いたしました。

moneyforward-dev.jp

実はJaSST'23 Kyushuで弊社メンバーがたくさん活躍していたのはご存知ですか?

スポンサーセッションでは我らがQAチーム、古迫さんが登壇されました。本人は緊張したとおっしゃっていましたが、堂々と発表されていて格好良かったです。外部に自慢できる会社に入社できたことを、あらためて嬉しく思います。

お揃いのTシャツを着て、参加メンバーで集合写真もパシャリ。
本当にお疲れ様でした!

久しぶりに参加したJaSSTでしたが、本当にどの講演もとても素晴らしかったです。
その中で特に印象に残った講演について、私なりに感じたことをしたためようと思います。


※2023/12/05追記
ありがたいことに基調講演と招待講演の動画がYouTubeのASTERソフトウェアテストチャンネルにて公開されました!こちらもぜひご覧ください。


基調講演「わからない?をわかる!に変えよう!- QAエンジニアが実践している基本的な考え方と方法」

基調講演の講師は、株式会社メルカリ 福田里奈さんでした。
ワークショップ形式だったのでインプットとアウトプットを同時にすることができ、自分の思考がよく整理できました。

この講演は「テスト未経験のエンジニア、これからソフトウェア業界に入る学生のようなテスト初心者」に向けた内容でしたが、私は 「テストをちょっと経験したことがある、ちょっと経験してきたけど今つまずいている人」 にとっても、よい講演だと感じました。講演資料も公開されていますので、気になる方はぜひご覧ください。

どんなことでも、経験を積んで「少しできるかも!」と実感が湧いたあとに、あらためて自分の非力さに気づいたときの落ち込みようって半端ないですよね。私も未経験でこの業界に入って数年間の間に、いろんなことがありました。原点に返って、基本をもう一度...というとき、この講演には大切なことが詰まっていると私は思います。

テストが上手なQA・テストエンジニア 周りにいるすごいテストをする人ってどういう思考・行動をする人?

本編に入ってはじめに聞かれた問いです。 講師の方が参加者へ真っ白な紙を配り、そこへ問いに対する自分の考えを書き出してみてほしいと告げられました。
若干無理やり思考と行動に分類しましたが、私が書いた内容は以下の表の通りです。

思考 行動
「なんとかなる」
知識が豊富な人
好奇心旺盛な人
気配り上手な人
発想力がある人
「なんとかする」
いろんなテストができる人
勇気がある人
効率的にテストができる人

「なんとかなるという思考が持てる人」「なんとかすると行動できる人」が私が思うすごい人です。
講師の方曰く、紙に書いたものは「自分が持っていないもの」だそうです。
さらに分解して細かい要素も何点か思い浮かびましたが、それらはたしかに私にとって必要なもので、かつ不足しているスキルだと思いました。
このワークは 自分に何が必要か、これから何を身につけていけばいいのか を考えるときに自分の(潜在的な)目標と現在地を整理できる、シンプルで良い方法だと思います。

テストに必要なスキルってなんだろう?

スキルというと「技術的な知識」や「ドメイン知識」を思い浮かべると思いますが、JSTQBシラバスにある内容を一読すると、それが全てではないことを実感しました。

  • テスト知識
  • 徹底さ、慎重さ、細部へのこだわり、理路整然さ
  • コミュニケーションスキル、積極的な傾聴、チームプレーヤーとなる
  • 分析的思考、批判的思考、創造性
  • 技術的な知識
  • ドメイン知識

私は仕事に対するマインドセットとして「サービスを作るプロジェクトメンバーが輝くように立ち回る」を意識しています。 そのマインドセットをより体現して、これらのスキルを自分のものにしていきたいと思いました。

続いてのワークは、JaSSTの公式サイトの運営をすると仮定して、以下の役割になりきって、どんなサイトにしたいか書いてみようというものでした。

  • 社長・経営・広報・企画・運営
  • デザイナー・CS
  • エンジニア
  • テストエンジニア

立場によって生まれる観点は違えど、どの役割もその先にある存在は「お客さま」であること。しかし、ただお客さまに満足していただければ良いわけではなく、作り手として自分以外の役割にも歩み寄って物事を捉えることが、QA/テストエンジニアとして大事なポイントだと教えていただきました。

自分の立場だけで物事を見てしまうと見える景色はそこだけになってしまいがちです。なので、人間の認知としてそういった特性があるものだと理解した上で、各関係者の役割に歩み寄って考えてみることが大切です。周りの方の立場に立って考えることによって、相手が何を伝えたいのか意図を汲み取りやすくなると思います。あらためてこの意識を大事にしようと思いました。

講演はさらに進んで、技術的なお話へと移りました。

どんなテストをしますか?

スライドには「参加料計算」の条件が提示されており、そこからどんなテストをするかを考えてみようというものでした。講演で着目されたのは「未成年(17歳まで)無料」という条件でした。

先ほどまでのワークを挟まないで初見でこのテストを考えたら、きっと過去の私は「17歳以下の場合に無料であること」「18歳以上の場合に有料になること」を確認するテストだけ考えていたと思います。

しかし、これまで2つのワークを体験したことで、提示された条件に対して深く考えることができました。

  • いつを基準に未成年だったら対象になるの?(申込日?開催日?)
  • 何を基準に未成年と判断するの?(学年?日本以外の学校の場合は?)

初めてテストを考える上で素敵な例題だと思いました。
講演では「何を以て未成年とするか」という条件を深掘りしていきました。

たどり着いた先は「なぜ、未成年を無料にするのか」という背景の部分を考える大事さです。

未成年 = 自由に使えるお金が少ない

  • そのための救済策は?
    • → それならできるだけ多くの人を未成年としたい
    • → それならできるだけ遅い日 = 学年の最終日にしよう

結論:学年の最終日 = 翌年の4月1日までに18歳になる人を未成年とする

物事の背景を適切に捉えることで、「何のためにそのテストをするから何に着目すればいいのか」が整理しやすくなると、あらためて再認識できました。

講演では他にもJSTQBのシラバスに沿って、お話をしていただきました。

  • テストの7原則
  • ブラックボックステスト技法
  • コラボレーションベースのテストアプローチ

過去、テストを始めたばかりの私は、日々聞いたことがない言葉が業務中に頭の上を飛び交っていたことが苦しかったです。みんな日本語で会話しているはずなのに何を言ってるのかさっぱり...。ですが、JSTQBで学んだ共通の言語を身に着けたことで齟齬のないコミュニケーションがとりやすくなりました。

みんな!JSTQBシラバスを読もう!

かく言う私も、この講演で初めて知ったワードがあり、アップデートされてから読んでいないことに気づきました。

私よ!もう一度 JSTQBシラバスを読もう!

さいごに

久しぶりのJaSST参加で、いろんな方のお話を聞く中で、ふと初めてJaSSTに参加した日を思い出しました。初参加は、4年前のJaSST'19 Tokyoです。参加者の多さ、規模の大きさ、関係者の多さ、さまざまな分野のセッションに感動したのを今でも覚えています。

  • 「世界って広い!」
  • 「こんなにも多く人がテストに関わってるんだ!」
  • 「私、めっちゃすごいところに来た!」

当時、テスト未経験からQAとして入社した私は、会社の中がテストの世界の全てで、もっと広い世界を知りませんでした。
「シンポジウム」という名前のイメージから「きっとすごいところなんだろう」というイメージは持っていましたが、会場に足を踏み入れた瞬間、想像を超える大きな感動を受けました。
あらためて、このような素敵な場所を用意してくださった方々に感謝いたします。


みなさま、最後までブログを読んでくださってありがとうございました!

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