この記事は、Money Forward Fukuoka Advent Calendar 2024の12/8の投稿です。 12/7は RemiM さんで つよいエンジニア(物理)を目指した記録2024でした。
こんにちは クラウド経費開発チームの 宮村(みやむー) @miyamura.koyo です。
2024年12月よりクラウド経費のテックリードのオファーをいただき、引き受けることにしました。クラウド経費は全体として大きなシステム・プロダクトになっているため、私は全ての技術領域ではなく、主にバックエンド領域においてリーダーシップを発揮する予定です。
本記事では、テックリードを引き受けた今の心境、そしてテックリードの大義について考えたことをまとめたいと思います。
クラウド経費開発部の立ち位置と難しさ
まず、クラウド経費開発部の立ち位置を私なりに簡単にまとめます。
とても抽象的ではありますが、クラウド経費開発部の立ち位置を図にすると以下のようになります。
まずユーザーと直接やり取りするのは、カスタマーサポート・カスタマーサクセス・セールスなどのビジネスサイドの方々です。
開発は主にこれらの方々からのフィードバックや問い合わせを受けて、開発活動を行っています(データ活用やユーザーインタビューなどで開発もユーザーと直接関わることはありますが、ここでは簡略化のため割愛します)。
また、基盤プロダクト・インフラからの要求や、開発自身が必要なことを判断し、システムの保守・運用、内部改善を行うこともあります。
さらに、クラウド経費はクラウド債務支払と密接に連携しているため、お互いのプロダクト間で連携をとる必要があります。
以上のように、各種ステークホルダーが多いため、何か物事を主導する際にはこれらのステークホルダーと連携する必要があります。
英語化
また、マネーフォワードの開発組織の英語化は進んでおり、業務の多くを英語で行なっています。
一方で、扱う業務領域やユーザー、ビジネスサイドのほとんどは日本語です。そのため、先行して英語化が進んでいる各プロダクトのエンジニアは何かしらの手段でこのギャップを埋める必要があります。
難しさ
このように、現状では成長を続ける開発組織特有の課題が多く横たわっています。テックリードはこのような複雑さ、不確実性に向き合う必要があります。
テックリードの役割
では、テックリードは何を担うべきでしょうか。「技術スタック導入や大幅なアーキテクチャ変更の決定」「重大な技術的問題への分析、解決に向けたリード」「他のエンジニアのメンターシップや評価、採用評価」などが挙げられます。
以前、Rails 7.0 へのバージョンアップ記事を執筆しましたが、このような技術的活動も推進していきたいと思っています。
上記のように、このような役割も担う予定ですが、テックリードとして最も大切なことは 「問題の最前線に立つこと」 だと思っています。
先ほど述べたように、今のクラウド経費は膨大かつ難しく不確実性の高い課題がいくつもあります。これらをテックリード一人で全て解決することはできません。しかし、問題の最前線に立って、開発組織を主導することは可能です。
問題に向き合い、相談し、必要な人を巻き込んでプロダクトを前に進めること、時には論理的に考えた結果「今はやらない」という決断を下すことを重視してやっていきたいと思っています。
まだまだ自分の技術的スキル・知見はこのような大きなプロダクトのテックリードを担うには不足しています。それでも、自分の能力を伸ばしつつ、任せられた責任を果たし、その上で現時点のスキル不足を受け入れて研鑽しつつ、より適任が現れたら委譲していけば良いと割り切りつつ、前に進んでいきたいと思います。
仲間へ
以上のように、ユーザーに価値を届けるためにプロダクトの開発部が担うべき役割・責任は非常に大きくなってきています。
先述したように、このような膨大かつ難しい状況をテックリード一人が全て行うことは不可能です。とはいえ、責任を果たさなければ、中長期的にはこの環境そのものが衰退したり消滅したりする、という危機感もあります。
そこでみなさんの力を借りたいです。先人が築いてきたこの環境を消費するのではなく、維持発展していくために力を貸してください。
とはいえ、各自のキャパシティやスキルは千差万別です。無理をするというよりは、まずは今できることの中から貢献してもらえれば嬉しいです。そのために、自分のスキルを伸ばすことが必要になった場合は、周りのメンバーやテックリードを頼りつつ、ともに学びながらスキルアップしていきましょう。
複雑な状況では、時にはお互いの利害が一致しないこともあると思いますが、最終的に目指す先は同じであることを信じて、歩み寄って共に進んでいければと思います。
テックリードの大義
さて、このような大変な役割を引き受け、推進していく原動力とは何だろう、と自分に問いかけてみました。
その結果、それは「大義」のためではないか、という考えに辿りつきました。
そこで自分が今この場所で、この役割を果たすことの社会的・道義的意義を見つめ直してみることにしました。自分はなぜテックリードをするのか。自分はなぜマネーフォワードにいるのか。自分はなぜ福岡で働くのか。以前インタビューいただいた内容も見返しつつ考え直しました。
私は人口が多く競争的な環境が苦手で、地方での暮らしを大事にしたいという思いがあります。一方でエンジニアとして知の力で最新の技術を社会に還元したいという気持ちもあります。それには、都会すぎず田舎すぎない、慣れ親しんだ九州地方にある福岡というこの土地が、今は性に合っているように思います。
今はフルリモートを活用することで実現できますが、私は人と人とのコミュニティを大切にしており、オフィスに出社して働けるほうが性に合っています。福岡にもいろんな企業の開発拠点ができてきており、以前に比べると福岡に住んで出社して働くという選択も取りやすくはなりましたが、東京に比べるとまだまだ選択肢は少ないと感じます。
そのような中でマネーフォワードの福岡開発拠点では、英語を主軸としたグローバルな環境で、かつ東京と同じ待遇で働くことができます。社会貢献度の高いDX領域に携わることができ、技術的にも Ruby on Rails で9年近く運用されている難しい領域で経験を積むことができます。
将来的にはライフステージの変化で福岡から離れることもあるかもしれませんが、今はこの環境を享受している一員としても、エンジニアとして福岡でグローバルに世界と対等に働くという選択肢を維持発展させたいという想いがあります。それが日本全体で見ても意義のある仕事と捉えています。また、世界全体の視点で見ても、日本の福岡という土地で暮らし働くことができる選択肢の一つとしての意義深さがあると信じています。
テックリードをすることは「福岡でグローバルかつ東京水準の待遇で、地方にしかないメリットを享受できる選択肢を、技術の力で日本に作ること」という大義を果たすことに繋がります。というより、そうであると信じて、まずはこの物語に沿って進んでいきたいと思っています。
大義の設定でサイロ化を防ぐ
このような大義を大事にすることで、結果として自分ごとの領域が広がり、サイロ化を防げます。
どうしても大きな役割になってくると自分を守るために、どこかで境界を引いて「ウチ」と「ソト」を作りがちです。リード役として役割分担を明確にして各自進んでいくことは大事ですが、一方でこれは自分たちの領分じゃないからと過度に個別最適に陥ることは避けていきたいと思います。とはいえ、自分がタスクを持ち過ぎて抱え込むのではなく、周りに依頼したり、そのようなフローや仕組みを整えたりすることで、分散していくことは忘れずにやっていきたいと思っています。
最後は Fun のカルチャーを大事に
大義という少し堅苦しい話もしましたが、最終的には楽しくやっていきたいです。マネーフォワードには Fun というカルチャーがあります。プログラミングを始めた時、新しい技術を身につけて何か作れた時、エンジニアとして自分の技術で仕事ができるようになった時、そういう時のワクワクがいっぱいあるような、最終的にはそういう環境にできればと思っています。
マネーフォワード福岡開発拠点では、エンジニアを募集しています!
福岡開発拠点のサイトもあるのでぜひみてください!