エンジニアの越川です。
今朝プレスリリースを出させていただきましたが、当社ではフルタイムRubyコミッターを採用致しました。そこまでの道のりを紹介させて頂きます。
マネーフォワード、フルタイムRubyコミッターを採用~Ruby1.8.6/1.8.7のリリースマネージャである卜部昌平氏が就任~
左:技術顧問 松田明氏/中央:Ruby開発者 卜部昌平氏/右:代表取締役社長CEO 辻庸介
何故やるのか
プロダクトを開発する上で、Railsを選択する理由については、以前個人ブログに考察を書きました。
Railsを用いた開発に必要な事を整理すると
- Railsの哲学を理解し規約を守る
- 周辺のエコシステムを活用し、自らもそのエコシステムの住人となること
- 進化に追従すること
概ねこの辺りが重要な事柄かと思います。
その際、Railsのスペシャリストを我々のチームに迎え入れることが大事だと思いました。その結果、技術顧問として松田明さんを迎え入れることになりました。
またRails周辺のエコシステムで最も重要と考えたのがRubyでした。
もっともRubyに貢献するための方法は何か、考えた時に目にした記事がこちらです。
いろんな人ががんばって改善されていますが、まつもとさんと、笹田さん、中田さんというコア開発者3人が、Herokuに入社してフルタイムでRubyの開発に専念できる立場になった、この開発体制の変化がいい影響をもたらしたように思います。国産言語だなんて言ってる割に日本の企業や国からこういった支援がまだないのは不思議ですが、今後増えることを期待したいですね。
勤務先の事業に直接コミットすることなく、フルタイムでRubyのコミッターを務める人が増えることで、Rubyの開発がより活発になるのではと考え、当社がフルタイムのRubyコミッター職を設けることで、最大限Rubyに貢献する事ができると考えました。
このアイデアを実現させるまで
esa社の赤塚さんと当社技術顧問の松田さんの協力があってこそでした。赤塚さんに松田さんを紹介して頂き、松田さんに卜部さんを紹介して頂いたという流れです。感謝してます。
社内では、マネーフォワードがOSSに貢献することで、Ruby/Railsの会社であることを認知させるという目的を明確にし、期待すべきこと・具体的にやってもらうことを整理し、我々の考えるフルタイムRubyコミッターのスタイルを考えました。
そうすることで経営判断がしやすかったと思います。
TechCrunchの辻のインタビューを読んで頂けると、経営者としての想いが伝わるかと思います。
ペイするかというと分かりません。コスト負担は大きいです。ただ、これはきれいごとかもしれませんけど、タダ乗りってフェアじゃないよねと思っているんです。アメリカにMBAを取りに行っていたときにコントリビューションということを、すごく言われたんです。自分が所属する世界に対して何を貢献するのか、と。コミュニティーに協力して貢献する。青臭いかもしれませんけど、そこの思いから始めています。もちろんVCや株主から出資してもらっているので取締役会でも議論しました。思いと狙いのバランス、実利と両方です
卜部さんとお会いして、我々の考えをお伝えしてオファーを承諾いただき、今回の採用となりました。
キッカケはRubyKaigiのスポンサー募集
社内のチャットであるエンジニアの
「RubyKaigi 2015 のスポンサー募集がはじまってました」
という発言から
「承認おりたのでいま申し込み手続きしてます!」
という発言まで1時間弱でした。
この結果、我々はRubyKaigi 2015のスポンサーとなったわけですが、その後のとある会議にて、「せっかくスポンサーやるんだし、スポンサー発表枠を有意義に使いたいよね」という話になり、優秀なエンジニアが集まる場でマネーフォワードに入社したくなる環境をアピールすることでした。
Railsで開発する覚悟をより強く持つために、何が出来るか考えた結果出した案が先に述べた
- 技術顧問を招聘
- フルタイムのRubyコミッター職を新設
でした。
エンジニアにとって働きやすい環境とは
経営者がエンジニアリングの重要さや価値観を理解している、理解しようとしている事が大事だと思います。またヒーローと呼べる優秀なエンジニアと一緒に働ける喜びも大事でしょう。
そして何より、どんなプロダクトを開発しているかという点に限るかと思います。
よりよいプロダクトを開発し、ユーザーに価値を届けるために、より良いエンジニアが集まる環境をこれからも整備していきたいと思います。
マネーフォワードはRubyだけの会社なのか
実は募集要項にもある通り、当社は
- Ruby on Rails
- Java
- Swift
- JavaScript
と言った様々な言語を扱うエンジニアが在籍しており、どの言語のスペシャリストも大募集中です。
最高のプロダクトを作り、またそのプロダクトを支えるOSSへちゃんと恩返しできるような環境で働きませんか?
是非お話できるのをお待ちしております。
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