ブログを書くまでがカンファレンスと習って育ったので先日登壇した大阪Ruby会議03について書いていこうと思います。 マネーフォワードで技術広報をしている id:luccafort (@luccafort)です。 大阪Ruby会議03は楽しんでいただけたでしょうか? ぼくはとても楽しませてもらいました。
たまに外国人エンジニア登壇者がやってるやつをやりました。
— luccafort (@luccafort) September 9, 2023
全然時間足りなかったので続きはWeb(会社のブログ)で!!!
#osrb03 pic.twitter.com/J89YEF3aoU
登壇資料はSpeakerDeckにアップロードしているのでよければどうぞ。
どういった内容について話したかというと以下のような内容をお話しました。
- コミュニティ(Kyoto.rb)を引き継ぐことになり、コミュニティの価値を再考しなくてはいけなくなった。
- コミュニティ(Kyoto.rb)の価値は大きく3つに分けられる。「関心、知識、環境」。
- 関心は「自己成長」と「楽しさ」を持つ。
- 知識は「形式知」と「暗黙知」を持つ。
- 環境は「透明性(オープン)」と「秘匿性(クローズド)」を持つ。
- コミュニティは4つの戦略的意図を持つ。コミュニティが「なにを大事にしてるか?」が重要。
- コミュニティに貢献する価値について一般論を提示し、コミュニティメンバー全員が「貢献する価値」と「他者の経験から学ぶ価値」を示す。
- コミュニティの価値はフェイズで変わる。違和感があれば価値を変えるときかもしれない。
- 「責任と権限と知識がなければオーナーシップは発揮できない」。メンバーは責任と権限を最初から持っているのでいつでも変えられる。
- 楽しさには4つの種類がある。
- Easy
- People
- Hard
- Serious
- 今日コミュニティの話をしにきたのは id:Soudai たちから「楽しさ」のバトンを渡されてきたから。今度は自分がバトンを渡す番。
- 「やっていき・のっていき・推していき」をやっている。「最初に質問する人はえらい」をやっている。
- 「KaigiEffect + Give it a try = Osaka RubyKaigi 03登壇」。次の登壇者はきみだ(バーン!
- 宣伝と自己紹介→終わり
リハーサルでは平均して9分40秒ほどで終えられたのですが、なぜか本番で時間が大幅に足りない事態となってしまいました。 あのままのペースで話していたら10分枠のところ、12分ほど話すことになったのではないかと思います。 ドウシテコウナッタ。
補足について
さきほどの7番あたりから残り時間が怪しくなってしまい、最後のほうはかなりかい摘んでお話してしまったので、意図が伝わっていない可能性がある…ということでブログで補足をさせていただこうと思います。
4 keys of Funの補足
Anatomy of Funという英語記事から「楽しさには4つの種類がある」と紹介させていただきました。
実は登壇中には触れませんでしたが、上記の記事には4つだけではなく「8つの楽しさの種類がある」という紹介がされています。 これは意図的に省かせてもらったのですが、ゲームデザイナーのMarc Le'Blancさんが提唱している8つの種類の楽しさのほうがより具体的でわかりやすいと個人的には考えています。 気になる方はぜひ引用した記事をお読みください。
紹介した楽しさは大きく4つにわかれます。
- Easy Fun
- People Fun
- Hard Fun
- Serious Fun
今回大阪Ruby会議03に参加し、改めて感じたことですが、「楽しさの種類は1つではない」ということです。
- creative codingの話や波形をruby.wasmを使って音楽を奏でることができる発表はEasy Fun。
- ランチタイムや休憩時間に他の登壇者やコミッターとRubyやRailsに関する話題について話すのはPeople Fun。
- @D-Swordman さんの Lrama へのコントリビューションを通して学ぶ Ruby のパーサジェネレータ事情 や MatzのGVLのお話は正しく困難に立ち向かうからこそのHard Fun。
- id:joker1007 さんのneovimで作る最新ruby開発環境2023や id:JunichiIto さんのEnjoy Ruby programming, Enjoy Ruby community!は真剣に楽しんでる感じがとてもSerious Funでした。
といった具合に1つのイベントでもさまざまな楽しさや感じ方があるのではないかなと思います。 そういった意味でも「Rubyで笑おう」というテーマを堪能できたのではないかと思います。
Conclusionの補足
最後、時間がなく駆け足になってしまいましたが言いたかったことは
- 先人たちが「楽しさ」を提供してくれたので次は自分たちの番。
- ほんのちょっとした取り組みが誰かの「やっていき」や「のっていき」の背中を押すことができる。
- Rubyには KaigiEffect がある。Give it a try!(とりあえずやってみようぜ!)の精神でコミュニティが目指したい方向へ進んでいこう
ということをお伝えしたかったのですが、蛇足を入れすぎてしまい時間内にお話しできず、 スキップした部分が多々ありました。 ちなみに「Give it a try」というのは弊社マネーフォワードの京都拠点の拠点コンセプトです。 マネーフォワードでは各拠点ごとにコンセプトがあるのですが、それぞれの拠点の特色を色濃く反映しているように思います。 ぜひお近くのマネーフォワードにお立ち寄りの際は「この拠点のコンセプトはなんですか?」とご質問ください。
宣伝の補足
まとめを話し、自己紹介と宣伝…という流れにしたかったのですが、明らかに時間が足りなかったのでまるっとスキップをしました。
自己紹介に関しては元々時間調整用のバッファとして考えていたので、時間が足りなさそうであれば名前だけ読み上げて終了のつもりでした。
2つほど宣伝したい内容があったのでこちらのブログで告知をさせてください。
1. 松江Ruby会議10に弊社大倉圭介(@okeicalm)が登壇します
9/16(土) に開催される松江Ruby会議10に弊社 大阪拠点長の大倉圭介が「歴史の長いRuby on Railsアプリケーションにおける技術的負債との戦い」というタイトルで登壇します。 きっとエンジニアの知り合いが少なくてボッチ飯をすることになると思うので、懇親会で見かけた方はぜひ話しかけてあげてください。
2. 京都を盛り上げる技術イベントをやります
前回好評だったLINE Kyotoさん、はてなさん、そして弊社の3社で開催したKyoto Tech Talkの第二回をHelpfeelさんとfreeeさんを新たに加え、Helpfeelさんのオフィスで開催します。
こぼれ話について
実は登壇時にも少し触れましたが元々30分枠でプロポーザルを提出していました。 その関係で大筋は変えずに、いくつかの説明や補足を切り捨てています。 これらのこぼれ話は後日、自分の個人ブログで解説を交えつつ投稿したいと思います。
かなりドラスティックに入れ替えたりしたので、当初話そうを思っていた内容とかなり変わってしまいました。 そういう意味ではプロポーザルを提出したときと提供する価値は変えていないように気をつけたつもりですが、選んでくれた方の期待したものではなかった可能性があります。
ともあれ、せっかく途中まで書いていたのでどこかで供養を行おうと考えています。 せっかくなので一部だけスライドをスクショしたものをご紹介します。これらの資料はいくつかのサイトやスライドを参考にさせてもらっています。 個人ブログに掲載する際には引用先のサイトURLなども掲載予定です。
大阪Ruby会議に参加した感想
個人的に一番楽しかったのはRubyKaigiでparser周りのお話をされていた金子さんとお話することができたり、RubyKaigi 2018でお世話になった koicさんとお話できたり普段なかなか話す機会がない方とRubyについてお話できたのは本当に楽しかったです。
また、オフラインの良さというのも改めて実感しました。 freeeでエンジニアをしている hachi さんとご飯にいったときに「freeeでRubyのイベントやりたいんですよね〜」という話から「よっしゃ!Kyoto.rbの出張版やろう!」という流れになり、10月のどこかで大阪に乗り込むぞ!と id:onk さんと話したり。 以前Kyoto.rbでおこなった「るりまを読む会」が良かったのでまたやりたいなーとつぶやいたところ id:hokkai7go さんから「参加したいです!」という話が生まれ、「研鑽Rubyプログラミングが中級者向けで初心者が参加しにくいから初心者向けに混ぜてみようよ!」とonkさんの提案によりスピード可決したり(すでに次回イベントページにはるりまパートを追加しました)。
それ参加したいです!タイミング合えばですけど
— hokkai7go (@hokkai7go) September 9, 2023
テキストでもできるんですが、連想ゲームのようにポンポンと小気味よいレスポンスで新しいチャレンジや興味関心の幅が広がっていくのはなかなかオンラインでは生まれにくいように思います。 できないわけじゃないんですが、そうなるまでの計画的偶発性理論のようなものが育つためのなにかがまだ足りていないように感じます。 そういう意味ではオフラインでコミュニティ運営者や参加者が「これやりたいんですけど」とか「これ気になるんですが…」と会話できることはとてもいい効果があるなと実感しています。
最後に
基調講演に登壇された伊藤さんが 大阪Ruby会議03 発表スライド&動画まとめ #osrb03 に各種スライドや動画をまとめてくれています。
登壇内容が気になる方はこちらをご参考ください。 全ての登壇スライドがアップされているわけではありませんが、多くの登壇者の方がアップロードしてくれています。
個人的に RubyKaigi 2023で金子さんが登壇されたからか大阪Ruby会議03ではとても parser に関する登壇を聞くことができましたし、Hotwireの話しなどの普段自分が業務で触れない技術だが知っておくとめちゃくちゃ嬉しいかも知れない話し、クリエイティブコーディングやPicoRubyなどの普段の仕事じゃないからこそ楽しめる技術のようなものまで多くの楽しさに満ち溢れたイベントでした。
登壇したみんながベストスピーカーなんですが個人的に一番楽しかったものを選ぶとするとLrama へのコントリビューションを通して学ぶ Ruby のパーサジェネレータ事情 が聞いていて、とても楽しかったです。
というわけでいまから来月のKaigi on Railsが楽しみになってきました。 大阪Ruby会議03参加前までは参加するかどうか迷っていたのですが、あまりに楽しい時間を過ごせたのでイベント中にチケットを購入してしまいました。 Kaigi on RailsでもRubyで笑うぞ〜〜〜!!!
参加するか迷ってたけど #osrb03 が面白すぎたので参加することにした。
— luccafort (@luccafort) September 9, 2023
Kaigi on Rails 2023に申し込みました! https://t.co/5vihyRdk5n #kaigionrails @kaigionrailsより
余談
大阪Ruby会議03のあとにサッカー日本代表とドイツ代表の試合があるというハードスケジュールでした。 ちゃんと起きて試合を見れてとてもよかった。
twitter.com大阪Ruby会議に登壇して、終わった後に飲みにいって、日付が変わって家に帰り着き、その後3時間の仮眠を経て日本代表を応援し、二度寝を敢行したところ、14時30分までぐっすりでした。
— luccafort (@luccafort) 2023年9月10日
そしてこれからお風呂を洗ったらお買い物に出かけなくてはならぬ。