Money Forward Developers Blog

株式会社マネーフォワード公式開発者向けブログです。技術や開発手法、イベント登壇などを発信します。サービスに関するご質問は、各サービス窓口までご連絡ください。

20230215130734

マネーフォワード CTO が考えていること(2023 年 6 月)

こんにちは、マネーフォワード CTO の中出(なかで)です。

CTO の私が、普段「なにを感じて、どんなことを考えているか」について、四半期に一回社内へ共有している内容を一部編集し、エンジニアブログに公開したいと思います。

前回はこちら:マネーフォワード CTO が考えていること(2023 年 3 月)

さらなる英語力の向上に向けて

マネーフォワードでは、英語習得の状況に応じて段階的な研修を提供しています。目標は、TOEICスコアが700点以上で、英語の会話力も一定のレベル(PROGOSレベルB1以上)になるステージ4です。最低でもステージ3(TOEICスコア700点以上、PROGOSレベルB1未満)を達成しましょうということを呼びかけています。

今年の前半を振り返ると、ステージ4を達成した人の割合が、半年前の29%から45%へと大きく増えています。さらに、ステージ3以上を達成した人(つまり、TOEICスコアが700点以上の方々)の割合も、半年前の39%から61%へと大きく増えています。みなさんの英語学習の努力が数字に表れていて、本当に感謝しています。

しかし、ステージ4に到達したとはいえ、まだ会議で英語を使うのが難しいという声をたくさん聞きます。私自身もその一人です。基本的な英語は理解できるけれど、実際に使う経験が足りないという問題があるようです。そこで、ステージ4を達成した人のために、さらに上のステージ、ステージ5を新設することを考えています。これは全員が目指すべきレベルではなく、さらなる上達を望む人たちのためのものです。

一方で、「習うより慣れよ」の精神も大切です。英語で流暢なコミュニケーションができるようになってから、日本語を話せないメンバーを受け入れようとしていたら、いつまでたっても英語で仕事をできるようになりません。むしろ、いくつかの本部での先行事例によると、果敢にチームのコミュニケーションを英語に切り替えることが、良好な結果につながっています。このようなチャレンジを一緒に進めていきます。

どう技術的な挑戦をつくるか?

私たちは、テックジャイアントを目指しています。そのためには、そう呼ばれる企業の優れた人材のレベルに追いつく必要があります。それだけでなく、システムアーキテクチャやインフラ、開発環境、そして開発手法も改善する必要があります。

すべてのこれら要素は人によって創り出されますから、もっと多くの優れたエンジニアを採用し、彼らがマネーフォワードで働くことでより大きく成長できる環境を作り出さなければなりません。優れた人材を採用するためには、もちろん適切な報酬を提供することが大切ですが、それだけでは十分ではありません。彼らが活躍できる環境と、難しい課題に挑戦できる機会を提供することが重要です。

これまで私たちは、小規模チームでサービスを開発してきました。これは意思決定を迅速に行い、ユーザーのフィードバックを多く取り入れるためです。しかし、事業が拡大するにつれて、大量のデータや高いトラフィックに対応するため、そして複数のサービスを連携させるために、より大規模な分散システムを構築する必要が出てきました。

マネーフォワードでも技術的に難しい課題が増えています。しかし、その課題に挑むとき、それがユーザー体験の向上やコスト削減につながり、十分なリターンが得られる挑戦でなければなりません。また、その挑戦が優れた人材を惹きつけるものである必要もあります。これらの条件に合うチャレンジを意識的に作り出していかなければなりません。

最近、外資系のいわゆるビッグ・テックで働いている人と話す機会が増えてきました。話を聞くと、彼らの会社では基盤開発チームとプロダクト開発チームという役割分担があり、それが非常に効果的であることがわかります。エキスパートに権限を与え、彼らが作り出したシステムがひとつのプロダクトだけでなく、全体で使われるような組織を意図してつくっています。そのようにして生産性を高めることで、より付加価値の高いサービスを実現しています。また、その結果として、より高い報酬を支払うことを可能にしています。

私たちも基盤チームとプロダクトチームという考え方を取り入れることで、難しい課題に挑戦しつつも全体の生産性を向上させることができると考えています。そして、そのための取り組みを始めています。しかし、一方でプロダクトチームのエンジニアが技術的な経験を得る機会が減ることを懸念しています。そのため、全てのエンジニアに機会を提供しつつ、どのように共通基盤を構築していくのかについては、まだ詳細を見定めきれない部分があります。この部分については、進めながら考えていきたいと感じています。