株式会社マネーフォワード ビジネスカンパニーMFBC-CTO室 QA推進部 部長の亀井です!SaaS企業・DevOpsにおけるQAを追求しています!
このたび2023年6月12日 (月) ~ 14日 (水)で行われる、ソフトウェア・シンポジウム 2023 in 仙台にて、弊社原とワーキンググループを主催します!
テーマ:「レビューの基本に立ち返り、今とこれからのレビューを再考する」
ワーキンググループでは「レビューの基本に立ち返り、今とこれからのレビューを再考する」というタイトルで、現場で実施されているレビューをより効きのよいものにするためにできることを議論します。
初日はレビュー技法の中でも最初に考案されたフォーマル・インスペクションを参加者全員で実際に体験します。それによってレビューの基本を改めて確認した上で、各種レビュー技法の特徴や利点などを考察します。2日目は、現在そして今後のレビューの姿を探りながら、各自の現場でレビューを改善するヒントを検討、議論します。
ワーキンググループ主催の背景
MFBC-CTO室が抱えるプロダクトは、マネーフォワードの様々なサービスから連携される基盤プロダクトが多いです。
具体的にはクラウドBOXだったり、先日リリースされたクラウド人事管理のワークフロー部分です。
静的解析の結果も良好で、市場不具合もなく、申し分ないプロダクトですが、会社規模が拡大し、マイクロサービス化も進み、ドキュメントの重要性が増しています。
そんな中、フォーマル・インスペクションの権威Tom Gilb氏に直接指導を受け、実践していたエンジニアの原が在籍しており、改めて「ドキュメントレビューを学び直す機会ではないか?」と思い、お手伝いをすることになりました!
スケジュール
1日目 13時から18時
- 自己紹介
- フォーマル・インスペクション・ワークショップ
- フォーマル・インスペクション・ワークショップのふりかえり
- 各種レビュー技法について議論
- 懇親会(自由参加)
2日目 9時から14時
- 1日目のおさらい
- 各自の現場におけるレビューの改善の検討・議論
フォーマル・インスペクションとは?
ソフトウェアインスペクションから引用
インスペクション技法はIBMのCarole L. Jones氏とRobert Maysによって構築され、IBMでは誤り修正中心のプロセスから、誤り予防のプロセスに転換しました。
IEEEでは下記のように定義しています。
「ソフトウェア要素の欠陥を検出し認知する。これは以下のことを行う厳格な正規の熟視テストである」
- ソフトウェア要素がその仕様を満足していることの確認
- ソフトウェア要素が適用標準に従っていることの確認
- 標準および仕様からの逸脱の特定
- ソフトウェア工学データの収集
- 表現方法の善し悪しや文体に関する問題の検査は行わない
ドキュメントレビューうまくできていますか?
そもそもドキュメントレビューの目的はなんでしょうか?
本来は、プログラミングをしやすくしたり、仕様通りにプログラミングしたり、手戻りを減らすことではないでしょうか?
本当にドキュメントレビューによって生産性が向上しているのでしょうか?
正しく、フォーマル・インスペクションをできると下記のような効果があります。
ソフトウェアインスペクションから引用
- 正味の生産性向上は30〜100%
- 正味の開発期間の削減は10〜30%
- 発見される欠陥がほとんどないため、テスト実施のコストと期間は5〜10分の1
- 保守費用の低減(2/3は欠陥除去による)は1桁のオーダ
- ソフトウェア関連作業の品質とその成果物の品質がほぼ「自動的」に改善
- システムの早期あるいは納期通りの納入(ほとんどの欠陥が早い段階で処理されるため、システム結合時の欠陥修正による混乱がない)
驚きの統計結果です…
レビューを良いものにしましょう!
このワーキンググループに備えて、ソフトウェアインスペクションを読みました。
一方で、DevOpsを先進的に進めているMicrosoft社のGitHubは規模が大きくなるにつれて、ドキュメント文化になり、ドキュメントレビューの重要性が増したと聞きました。
自分が担当しているプロダクトでは規模・人数が拡大しながら、DevOps組織を目指しており、ドキュメントの重要性が高まっています。
「欠陥を予防する」フォーマル・インスペクションの技法を取り入れたいと考えています。
ワークショップを通して、基本に立ち戻ったフォーマル・インスペクションを体験し、各種レビュー技法の議論を通して、どうDevOpsに適用させるか模索したいです!
本当にそのレビューは想定通りに工数を減らすことができているのでしょうか?
このワーキンググループを通じて、レビューを見直してみませんか?
みなさんと一緒にレビューを再考できたら幸いです!
申し込みは今週金曜日までです。ぜひ参加お待ちしております。