やっはろー。 2021年10月からマネーフォワード クラウド勤怠の開発チームでSREとして働いています、VTRyo です。
この記事は、Money Forward Engineering Advent Calendar 2021 16日目の投稿です。
さて、Datadogダッシュボードのブログを書いて以来の登場です。 開発者でも取り組める!発展期のサービスこそ、SLOやDatadogダッシュボードで状態を可視化してメンバーに安心を届けよう
実は入社当月から毎月エンジニアブログを投稿しています。 と言っても、僕ひとりが書ける記事の数なんてたかが知れています。 毎週のように書けるほどネタがあるわけでもないので、もっと自分たちのチームのことを知ってもらいたい!と思ったとき、どうすればよいでしょうか。
答えは、 書きたがってる人を支援すること です。
1日30分、僕に時間をくれませんか
入社してから淡々とブログ書いていて、皆も書ける人はぜひやってみてください〜と地道に宣伝していました。 そういう中で、このようなコメントを貰いました。
- 「ブログを書きたいのだけど、書きたいことが積まれるばかりで全然文章ができあがらない……」
- 「書きたいんだけど、これっていうネタがなくて……」
- 「やったこととか、伝えたいことは何となくあるけど、どう書いたら効果的なのかが分からずモヤモヤしている」
なるほど。非常によくある悩みです。 しかしこのような悩みは、完全に解決はできなくとも、ある程度は軽減することが出来ます。
プログラマであれば、この方法にピンとくる人もいるかもしれません。 そうです、ペアプログラミングです。
ということで、書きたいけど困っている人に向けて「1日30分、一緒にブログを書きましょう」という活動をはじめました。
ペアプログラミングならぬ、ペアブロギングをやってみる
ペアプログラミングという手法があります。それに則った方法でブログ執筆をサポートするやり方です。
実際にキーボードを操作してコードを書く人を「ドライバ」、もう1人を「ナビゲータ」と呼ぶ。
同じように、文章を書く人(この場合、筆が速い人や得意な人)を「ドライバ」、ネタを持っている人を「ナビゲータ」とします。
詳しい方法や、今回僕が実施した方法も以下のブログを参考にしました。
ちなみに、ペアプログラミングで受けられるメリットは以下のようなことが挙げられています(※ペアプログラミング)
- 規範意識の増大。ペアプログラミングでは、個人の作業よりも怠けることなく作業を進める可能性が高い。
- よりよいコード。相乗効果により設計の質が向上することが期待される。
- 作業効率の向上。1人で作業するときとは流れが変わる。例えば、次に何をすべきか考え込むといったことが少なくなる。また、外乱要因に対しても耐性を示し、他の人が割り込んできても、一方が応対している間にもう一方が作業を進められる。
今回ペアブロギングを実施してみた感想として、同じようなメリットがあったと思います。
- 1日30分という決められた時間、作業を進めることができる
- よりよい文章(お互いしっくりくる文を探せるため)が期待できる
- 作業効率の向上。ナビゲータは、書きたいことを伝えるだけでドライバが文章化できる(ドライバが書くのが得意な場合)。次にどんな見出しや文章を書けばいいかで手が止まることが減る
ドライバとナビゲータを交代する方法もあります。一緒に実施する方の性格や要望を見て判断しましょう。
ここからは、実際にサポートした事例をベースに、どのように進めたかを紹介していきます。
ペアブロギングの前提
- ペアブロギングしたいという希望者
- サポーターとなる人(今回は僕)は、Zoomでやりとりしているときしか文章は書かない
- あくまで考える主体は希望者の方です
- 希望者が希望する方法に合わせる
- ドライバとナビゲータ交代制、何営業日取るか、など
※以降でてくる事例は、希望者の方に許可を得ています。
事例1: 文章が書けなくて困っている!
こちらが成果です。
流れとしては、以下を実施しました(引用: ペアブロギングのすすめかた - Tbpgr Blog)。
- 執筆の目的を決める
- アウトラインを決める
- 本文の執筆をする
- タイトルを決める
アウトラインが難しい場合は、最低限、目的だけは設定しましょう。
文章が書けなくて困っている場合、ドライバを執筆が得意な人に固定して実施すると良いでしょう。 実際、コンテンツに溢れているのに文章が浮かばず進まないという人は多いようです。
- 1日30分、5営業日
- ナビゲータ、ドライバ(僕)を固定
- ナビゲータは書きたいコンテンツをしゃべる
- 目的設定で、何を誰に伝えたいかを聞いておき、それを意識しながらひねってもらう
- 一通り洗い出し、各見出し内でちょっとずつ文章を書いておく
- 最後のまとめ部分まで書き上げたら、徐々に肉付けを行う
書くのに慣れていない場合は、画像や肉付けは最後にして、まずは全体的に仕上げることを意識してもらえるようにしました。 書きながら、「やっぱりここはもうちょっとコメントあったほうがいいね」などディスカッションして追記していくイメージです。
また、この事例のブログでは、ふりかえりがメインのコンテンツとなっていたのでタイトル決めを最後に実施しました。 ふりかえってみて、その上でよりマッチするタイトルを設定して、無事出荷となりました。
相談者さんは「普段は他の業務との兼ね合いもあって、なかなか進捗をスムーズに出すことができない状況だった」とのことでしたが、1日30分の時間とサポートで5営業日程度でのスピード出荷を達成 🎉
これを機に、書き方を覚えていってもらえれば幸いです。
事例2: ネタはありませんが、締切はあります!
こちらが成果です。
相談者さんは、アドベントカレンダーへの参加を表明していたため締め切りがありました。 ただ、書けるネタがないという点で困っているという相談を受けたので、まずはネタ探しから始めることにしました。
日頃どんな業務をしているのかや、ご自身が好きだと思ってやっていそうなことを会話の中から引き出したりしつつ、僕が読みたいと思うネタを提案したりしました。 こういう場合、ペアブロギングでサポートする側の人が「読みたい」と思うことを提案するだけでも十分ブログとして成立します。
最終的に、相談者さんが今年1年で渡り歩いたチーム数が多いことや「書けそうだ」という自信も踏まえて、ふりかえりネタに決定しました。
締め切りまで時間もなかったので、今回は一気に書き上げてもらいました。 最後に文章のレビュー時間を取ります。
おおまかなレビュー内容は以下です。
- noteという媒体の特徴柄、改行を多めにした方が読みやすい
- 文章の色を変えたり、囲ったりして、目立たせると読みやすい
- 句読点が続く文章は、短く切るように意識していい回しを変えると読みやすい
そして、お見事。1日30分を2回。最初の相談から約3〜4営業日で出荷です 🎉
今後は、自分なりのネタの探し方を覚えていってもらえれば幸いです。
事例3: コンテンツはあるけど、どう書いたらいいだろう?
こちらが成果です。
相談者さんはこれまで何度もブログを出荷している方でしたが、せっかくなので構成をお互い壁打ちしながら進めてみました。
- 伝えたいことはこれ
- 実際にやったことはこれ
というヒアリングをしてみて、今回はタイトルを決めてから書き進めたほうがスコープが絞れて良いと判断しました。
よって、このような流れを取りました。
- 執筆の目的を決める
- アウトラインを決める
- タイトルを決める
- 本文の執筆をする
このタイトル決め、本文がないまま決めることで「このタイトルに合わせて文章や見出しを構成しよう」と意識が働きます。 結果的に、読者に読みやすい書き方が自然とできるのでおすすめです(僕は自身はおおざっぱにタイトルを決めておき、ネタを探し始めるタイプです)。
なお、タイトル決めで困ったら参照すると良い記事はこちらです。
こんな感じでコメント入れながら、構成やタイトルはこんな感じにしますか〜とやりとりしてました。
コンテンツが決まっていて実際にやったことも明確である場合、かなり書きやすい分、内容が多くなって伝わりづらくなる場合があります。そう思ったときは、タイトルから決めると良いかと思います。
そしてお見事。1日30分を5営業日で完成。技術広報さんからのレビューなどを入れて、7営業日程度で出荷です 🎉 今後も、色んなパターンで書いてみて自分なりに合う方法を見つけていってもらえれば幸いです。
【おまけ】なぜ進捗が出ないのか
僕が文章を書くとき、一番何を意識しているかといえば『1日一行でもいいから書く時間を取る』ことです。 これはブログに限ったことではなく、文章を書くとき最も大変なのはその日最初の一行を書く瞬間です。
何でもそうですが、慣れていないことをするとき一番苦痛なのは「取り組むことそのもの」です。 書きたいことはあるけど何も思いつかないとか、こんなの発信していいのかなとか。頭で考え出すと非常に面倒に感じて一向に書く体勢にならず、そのブログは完成に至りません。
その一行を書き始めて、そして書き続けなければ、永遠にその記事はできあがらないのです。
反対に、この一行と締切さえあれば人間は自ずと完成に近づけるのです。
ブログを前へ。進捗をもっと前へ。
この一行目をいかに早く書き始めるかがキーになるでしょう。
1日30分は、馬鹿にできません。ぜひ、5分からでも一行からでも始めてみてください!
おわりに
1ヶ月で3名ほどペアブロギングさせていただきました。 外部発信したいけど、自分には難しいと思っている人のハードルを少しでも下げられたら嬉しいです。
マネーフォワードでは、エンジニアを募集しています。 ご応募お待ちしています。
【サイトのご案内】 ■マネーフォワード採用サイト ■Wantedly ■京都開発拠点
【プロダクトのご紹介】 ■お金の見える化サービス 『マネーフォワード ME』 iPhone,iPad Android
■ビジネス向けバックオフィス向け業務効率化ソリューション 『マネーフォワード クラウド』
■だれでも貯まって増える お金の体質改善サービス 『マネーフォワード おかねせんせい』