そのサービスはマイクロですか? こんにちは、CTO室マイクロサービス推進部でサーバーサイドエンジニアをしている吉岡です。
マイクロサービス推進部ではその名の通り、日々マイクロサービスを開発 / 運用 / 推進しています。
先日リリースしたメール取込もそうですが、私たちの開発しているマイクロサービスはユーザーの皆様に直接触れていただくものではなく、社内の別サービスに機能を提供することが大半です。
提供する機能は主に RESTfulAPI
を通して提供しているのですが、仕様(ドキュメント)を明確でわかりやすいものにすることで、チーム間連携をより効率的・効果的に行えるようになります。
本稿では「開発したサービスのAPI仕様をどのように提供するか?」という部分について紹介します。
メール取込に関する概要や目的についてはこちらのEngineersBlogでも紹介していますので、ご興味のある方はご一読ください。
Swaggerって?
早速結論ですが、マイクロサービス推進部ではSwagger
を利用してAPIドキュメントを作成し、サービスの仕様 / 利用方法を社内の別サービスへ提供しています。
Swagger
については公式ページやわかりやすい解説が数多あると思いますが、ここで簡単に説明させていただくと
コードに記載したコメントからAPIドキュメントを自動生成してくれる便利なフレームワークです。
(正しくはREST API を定義するための仕様
を示しますが、本稿ではSwagger-Codegen
, Swagger-UI
に絞ったドキュメントツールとしての内容を語らせていただきます)
なぜSwaggerなのか?
仕様書や設計書を書く機会は多いと思いますが、数が増えれば増えるほどメンテナンスが大変になりますよね。
- APIについて仕様書が複数ある
- 最新の仕様に更新する
- そもそも仕様書を書いていたか
- etc...
Swagger
を導入すると、コードとは別にAPIの仕様書を書く必要がなくなり、コードと仕様書を一対一で管理、維持できます。
コードに所定のフォーマットでリクエストパスやパラメータを記載すると、その記載を元にAPIドキュメント(json
,yaml
ファイル)をコマンド一つで自動生成してくれるのです(仕様を書かなくていいわけではありません…)。
Swagger
で生成されたAPIドキュメントはSwagger-UI
(生成されたAPIドキュメントをいい感じに可視化するツール)で閲覧する前提になります。
他にもSwagger
の提供する機能はありますが、マイクロサービス推進部では実装とAPI仕様をまとめて管理できるようSwagger
を導入することを決めました。
マイクロサービス推進部での導入例
実際にどのようにして APIドキュメントを作成、公開するのかを簡単にご説明します。
APIドキュメントの作成
まずはドキュメントを作成するため、RESTfulAPI
のパスやパラメータ、応答のモデルなどをコード上にアノテーションで記載していきます。
(マイクロサービス推進部ではGo
でサービスを実装しているため、Go
からAPIドキュメントを生成するライブラリswaggo/swagを利用しています)
// Param apiパラメータ type Param struct { ID string // ユーザーID } // Account アカウントの情報 type Account struct { Name string // アカウント名 Status int // アカウントのステータス } // GetAccount // @summary アカウントの情報を返します // @description user_idを元にアカウント情報を返します // @tags accounts // @produce json // @param user_id query int false "user_id" // @success 200 {object} Account // @failure 401 {object} Error // @router /accounts [get] func (c *Controller) GetAccount(ctx echo.Context) error { // ...implement }
// @title sample api // @version 1.0 // @description this is sample apigw // @host localhost:18080 // @BasePath /api/v1 // @tag.name accounts // @tag.description about accounts request func main() { // ...implement }
次にコマンドラインから生成コマンドを実行します。
$ swag init \ > --dir <apiドキュメントを作成したいコードのパス> \ > --output <apiドキュメントの作成先> \
文にするとたったこれだけです。簡単ですね。
APIドキュメントの公開(社内向け)
マイクロサービス推進部では2つの方法でAPIドキュメントを社内に公開しています。
- githubにAPIドキュメントをpushして公開
- マイクロサービスのデプロイ環境に公開ページを用意し
Swagger-UI
を提供する
1の方法は、githubにアップしたAPIドキュメントをブラウザで参照してもらう方法です。
APIドキュメントをgithubへアップするだけで良いので、開発者は楽にAPI仕様を公開することができます。
と言っても、APIドキュメントはただのjson
/yaml
ファイルなので、閲覧者はブラウザに拡張機能(swagger-viewer)を入れるなどして閲覧する必要があります。
2の方法は、Swagger-UI
をデプロイ環境の1URLとして公開する方法です。
閲覧者は、公開ページのURLさえ知っていれば下図のようにSwagger-UI
で可視化されたAPIモデルを閲覧することができます。
今後改善したい点
ドキュメントの自動生成/更新
現状はAPIドキュメントを作成 / 更新する際には、開発者が生成コマンドの実行
→ 生成ファイルをcommit,push
しています。
生成コマンドはほぼ固定なので、API仕様に変更があれば自動でAPIドキュメントを再作成する仕組みを入れたいと思っています。
Swagger-UI
からのリクエスト送信
Swagger-UI
上では、Httpリクエストを組み立て、実際にリクエストを送信することもできます。
APIの動作確認や、使用感を簡単につかむことができて便利なのですが、Dev環境やStg環境には認証機能が必要であるため、まだ対応できていません(正しく設定することで認証をパスできます)。
せっかくSwagger-UI
を使用しているので、この機能も有効に使えるよう設定を見直したいと思っています。
まとめ
マイクロサービス推進部でのAPI仕様の提供とSwagger
の利用について紹介しました。
まだ使い切れていない部分もありますが、少しでも面倒な手間は減らして、サービスの向上に時間を使えるようこれからも外部ツールの利用や自動化を進めていこうと思います。
マイクロサービス推進部ではマイクロサービスの開発と共に、Swagger
以外にもGithub Actions
や自作ツールなどで作業を自動化する取り組みも進めています。
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