Introduction
こんにちは。マネーフォワードの Rusty です。エンジニアリング戦略室というところで、マネーフォワードグループのエンジニア組織全般の戦略策定や人材獲得・組織開発を管掌するVP of Engineering(以下、VPoE)をしています。
2024年9月20日にマネーフォワード初となるテックカンファレンス「Money Forward Tech Day 2024」を開催しました。多くの方に参加いただき、満足いただけたようでほっとしています。
私は、カンファレンスのコンテンツの品質に責任を持つ「Program Director」として関わらせていただきました。
今日は当日に至るまでを振り返りながら、舞台裏を発信していきたいと思います。
カンファレンス全体のイベントレポートに関してはテックカンファレンス「Money Forward Tech Day 2024」レポートをご覧ください。
序章
1月の終わり、当時エンジニアリング戦略室を管掌していたVPoE 高井さんのSlack DMから全ては始まりました。
私は当時、バックオフィスSaaS事業を展開する「マネーフォワードビジネスカンパニー」で、業務基盤開発とマネーフォワードビジネスカンパニーの開発体験を向上させることをミッションとした「MFBC-CTO室」という部門の室長をしていました。
もちろん、カンファレンス自体の存在もこのDMで初めて知ることになるのですが、今振り返って読んでも、めちゃめちゃライトに依頼されてますねw
ですが、結構即決でこの役割を受けようと思いました。マネーフォワードで最初の大規模なイベントにこのような役割で関わることができ、それを打診されたということは大変名誉なことですし、自分にとっても多くの経験が得られるのではないかと思ったからです。
ということで、改めてこの大きなプロジェクトの運営に関わることを決めました。
DMから2日後のことでした。
タイムテーブルとコンセプト決定
2月頭の定例から参加することになるのですが、そのときに決まっていたのは以下の内容です。
- 会場の候補として、東京ポートシティ竹芝ポートホールが挙がっていること
- 候補日は9月中旬から10月中旬で、CTO 中出さんの希望は9月20日
- 全体のテーマは「Let’s make it!(共に創り、実現しよう!)」
このときの運営は、エンジニアリング戦略室の高井さん、同室エンジニアエンゲージメント担当のあちゃさん、そして私の、3人という少人数でスタートしました。
2月中旬のエンジニア向け月次社内イベント「Engineering All Hands(以下、EAH) 1 」でカンファレンスの開催告知を実施しました。
3月中旬にカンファレンスの名称募集を実施しました。 並行してタイムテーブルの叩きができたのもこの頃でした。
初稿は、 Keynoteが1つ、20分のセッションが8つ、セッションごとに休憩を挟むという構成でした。 カンファレンス当日、CTO 中出さんの登壇の中出さんから「当初は20分枠で計画をしていた」との発言がありましたが、あれは誤りで、発足当初からKeynoteは15分という計画でしたよw
他の運営メンバーと壁打ちし、第2稿で今の形に近いものになりました。
- Keynoteは最初と最後の2回
- 20分のセッションに加えて、LTセッションを設ける
- 複数のセッションを連続で行い、休憩の回数はまとめる
新しい運営メンバーの追加とプロポーザル募集
4月頭から、カンファレンスの最終的に全体監修を担当したぼなみさん、クリエイティブ・ディレクターのてらおさんが参加します。今回のカンファレンスに欠かせないメンバーであり、大きく貢献いただいた仲間たちです。
4月中旬に開催されたEAHでプロポーザル募集の告知を行います。締め切り時期は当初4月30日としていましたが「締め切りまでが短すぎる」という社員の意見を取り込み、5月中旬と設定しました。
プロポーザル募集から締め切りまでおよそ1ヶ月と少しタイトなスケジュールになってしまいましたが、選考やタイムテーブルに当てはめて微調整を行う期間などを逆算した結果、この日程で決定しました。 次回開催する際には今回の経験を参考に、もう少し余裕のある日程にしたいと思います。
実はまだここまでで、技術広報の luccafortさん(以下、luccaさん)は運営メンバーに正式にはなっていませんでしたが、有志としてプロポーザルの提案サポートをしてくれていました。
私自身、カンファレンス運営に対する知見がない中で、彼の合流は絶対必要だと判断し、打診しました。
快諾してもらい、めちゃめちゃ心強かったことを覚えています。
プロポーザルの提出期限が迫る中で、コンテンツの種類に網羅性が欠けていると感じました。 そのため、私は複数の部門のマネージャーにプロポーザル提出に協力してもらえないかを打診しました。
同時期、CTO 中出さんにプログラム選定の情報共有をします。そこで以下の要求が出てきました。
- Keynote担当者の指名
- 最初がCTO 中出さん、最後がCDAO2 野村さん
- 推したい技術領域
これらも含めて、実際のプログラムの選定を行っていくことになります。
プログラムの選定
最終的に多くのプロポーザルを提出してもらえました。
- 20分のTalk : 31件
- 5分のLT : 19件
そこから、luccaさんと内容確認をしながら選考を進めました。
重視した点は、「マネーフォワードの開発の現状を知ってもらう」ことでした。そのため、登壇内容を通して多拠点開発、グローバル、多様性を体感してもらうことを目指し、これに沿ったコンテンツテーマの選定を行いました。
その結果、惜しくも登壇には至らなかったものの、多くの素晴らしい内容のコンテンツが寄せられました。 福岡開発拠点では不採択になったトークの一部を社内イベントで発表して盛り上がっていたようです。
【福岡開発拠点発イベント】Fukuoka TechTalk+ 開催レポート
ところが、いざコンテンツが出揃ってタイムテーブルに並べたとき、自分の中でイマイチしっくりこない感覚がありました。
そのとき、私の大好きで尊敬するミュージシャンが、音楽アルバムを制作するときの話を思い出しました。
「全体を並べたときのイメージから、1曲目を制作する」と。
そこで、無理を言ってKeynote枠の追加を容認してもらい、マネーフォワードのこれまでの開発に現場で広く深く関わっている、カンパニーVPoE 黒田翔太さんに打診することを決めました。
黒田さんへの依頼については、普段行っている1on1で急なお願いをする形となってしまったのですが即座に快諾いただけました。
最終的に、オープニングスピーカーはカンパニーVPoE 黒田さん、中盤のKeynoteはCDAO 野村さん、クロージングスピーカーにCTO 中出さんという構成になりました。
コンテンツの基本構成が固まったことによって、セッションやLTをバランスよく配置することができました。
これで、最終的な登壇者が決定することになります。
本番準備の本格化とタイムテーブルの調整
Slackにスピーカーの連絡用チャンネルができ、スライドの作成をお願いし始めたのが6月下旬のことです。
7月・8月の2ヶ月間、スピーカーの方に準備してもらうことにしていました。実際には9月ぎりぎりまで調整してもらうことになり、運営側の準備が足りない部分があったと反省しています。これらは今後に活かすようにしっかり振り返りをしていきたい点です。
この頃からのぼなみさんの獅子奮迅ぶりはものすごいものがありました。本番スタッフの手配だけでなく本番に向けたあらゆる方面のことを、通常業務に加えて推進してもらえたこと、頭が上がりません。
実際の当日の進行スタッフもアサインされて、タイムテーブルにも調整が入ります。
- 休憩時間の調整
- Ask the speakerの実施
ステージ運営チームのよこてぃさんの提案から、上記2点が盛り込まれ、最終的なタイムテーブルが出来上がっていくことになります。
Tech Day 当日
当日は、想定外の事案が発生したときの判断と実行を担当しました。
現場スタッフの方の臨機応変な対応やスピーカーの方々のオンタイムでの登壇など、関係者すべての方の尽力のおかげで、大きなトラブルもなくカンファレンスを終えることができました。
とはいえ、実際に開始してみたいとわからないようなことは起こりました。会場の温度調節や明るさ調整の難しさ、音響の大きさ、インターネットの不調など。
そのことについて、X(#mf_techday)で多くのコメントをいただきました。不慣れな点もあった中で、参加者の皆様の投稿ひとつひとつが私たち運営にとってはすごくありがたかったです。
そして、その投稿に迅速に対応してもらったスタッフ全員にとても感謝しています。
この場を借りて、お礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
終わりに
Xの投稿も盛り上がり、アンケート結果でも多くの方に満足していただけたようで、ほっとしています。
ですが、もっとよくできたことやまだまだお伝えしたいことなどがいっぱいあります。
次回の開催をこの場でお伝えすることはできないのですが、次回はカンファレンス運営全体の責任者として、前向きに検討していきたいと考えています。
- マネーフォワードでは月に1度、マネーフォワード内の全エンジニアが参加して新しく入社するメンバーを紹介したり、ナレッジを共有したりする社内イベントがあります。↩
- 最高データアナリティクス責任者(Chief Data and Analytics Officer)とは、データアナリティクス(DA)の最高責任者であり、DA戦略の策定と実行、DAチームの指揮、経営層との協業などを担当する役職です。 https://www.gartner.com/en/data-analytics/research/cdao-effectiveness-diagnostic↩