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はじめに
こんにちは、マネーフォワード ID 開発チームの @nov です。
マネーフォワード ID で Passkey Autofill をサポート開始してから、かれこれ1ヶ月以上が経ちました。サイレントリリース期間を含めると、2ヶ月ほどでしょうか。
まだ Press Release と Tech Blog を出したくらいで特段エンドユーザーのみなさんに向けたプロモーション等は行っていませんが、そろそろプロモーションも開始しようかと考えています。
そこで、プロモーション開始前に、現状のマネーフォワード ID における Passkey の利用状況について、軽くまとめておこうと思います。
Passkey 登録状況 @ 2023.05.15
まず、Passkey の総登録数は、2023年5月15日時点で 7,200 個ほどです。
OS 毎の内訳は以下の通りです。
OS | 全体に占める割合 |
---|---|
iOS | 58% |
Android | 26% |
macOS | 10% |
Windows | 5% |
その他 | 1% |
iOS vs. Android
iOS vs. Android の比率は、そのまま国内の iOS と Android のシェア率を反映しているものと思われます。
Android Chrome が Passkey Autofill をサポート開始したのは2022年12月なので、どれほどの Android ユーザーが Passkey を登録できるかは不安要素のひとつではありましたが、Android に関しては問題なく Passkey が浸透しはじめているようです。
macOS vs. Windows
macOS が Windows の倍になっているのは、最初に Passkey Autofill 対応を公表した Tech Blog の読者層に macOS ユーザーが多いこともあるでしょうが、Passkey を登録できない Windows が大多数であることの影響が大きいと思います。
マネーフォワード ID では Passkey Autofill に対応した端末でしか Passkey を登録させておらず、Microsoft は Windows 11 以上でしか Passkey Autofill をサポートしていないため、上記の Windows は Windows 11 のみになります。
Passkey Autofill の普及には、Windows 11 の普及ないしは Windows 10 への Passkey Autofill サポートのバックポートが鍵になりそうです。
Passkey 利用状況 @ 2023.05.15
次に、Passkey を登録してから実際に認証に使ったであろうユーザー数を計測してみました。
Passkey には、各鍵を署名に使った回数を示す sign_count
という属性があるのですが、Apple デバイスでは常に sign_count=0
となることから、この属性はあまり利用状況を調べるためには役立ちません。
そこで今回は、登録日と最終利用日が異なる Passkey を数えてみました。
# 登録日と最終利用日が異なる Passkey 数 WebauthnCredential.where( 'DATE(last_used_at) != DATE(created_at)' ).count
すると、総登録数のうち実際に認証に使われていたのは 33% ほどでした。
比較対象がないため多いのか少ないのかよくわかりませんが、今後 Passkey をサポートするサイトがこのような数字を公表しだすことを期待しつつ、まずはマネーフォワード ID での数字を公表しておきます。
これも OS 毎に見ていくと、以下の通りでした。
OS | 実際に認証に使った割合 |
---|---|
iOS | 31% |
Android | 33% |
macOS | 38% |
Windows | 36% |
その他 | 非計測 |
Smart Phone vs. Desktop / Laptop
Smart Phone よりも Desktop / Laptop の方が利用率が高いです。不思議ですね。
Native App の有無によって、Desktop / Laptop と比べて Smart Phone でのログイン頻度が少ないことも影響しているのかもしれませんが、この数字はもう少し継続して見ていきたいと思います。
最後に
以上、2023年5月時点でのマネーフォワード ID における Passkey 利用状況報告でした。
プロモーション開始後しばらくしたら、またこういった数字を公表していこうと思います。
これ以外の数字についても気になるものがあれば、Twitter やはてブのコメント欄等で教えてください。本シリーズ vol.2 以降で計測・公開を検討します。
それでは、vol.2 でまたお会いしましょう。
-- @nov