Money Forward Developers Blog

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Go Conference 2025の学びと反省:スタッフとして交流を通して感じた熱量、そしてチケット設計の失敗と反省

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こんにちは。株式会社マネーフォワードでプロジェクトマネージャーをしている@luccafortです。
先日開催されたGo Conference 2025に、弊社はBronzeスポンサーとして協賛し、ぼくは運営スタッフの一員として運営に関わりました。

moneyforward-dev.jp

この記事では、当日の体験を振り返りながら「なぜ会社としてこのカンファレンスを支援したのか」「何故スタッフとして関わっているのか」をお伝えしたいと思います。

謝辞

今回、Go Conference 2025に運営スタッフとして、弊社のカンファレンス支援制度を利用して参加させていただきました。
弊社制度の適用にあたり、運営スタッフとしての参加のため、セッションを聞いたり、ナレッジを周りにシェアしたりすることが難しい旨を申請時にお伝えしていたのですが……。

「カンファレンスのスタッフとして貢献することはOSSにコミットすることと同じ」

との温かいお言葉により、申請を許可していただきました。
この制度の柔軟な運用とコミュニティ活動への正当な評価をしてくれる弊社の文化に、深く感謝いたします。
おかげさまで、イベント当日に運営スタッフとして貢献できました。
改めて、この場を借りてマネーフォワードに心よりの感謝の意をお伝えしたいと思います。ありがとうございます。

Go Conference 2025について

名称: Go Conference 2025
開催日: 2025年9月27日(土)・28日(日)
会場: 東京都渋谷区宇田川町40番1号 Abema Towers 10F / 11F
概要: Go Conferenceはプログラミング言語 ”Go”ユーザーのためのカンファレンスです。
テーマ: Sync.go
参加者数: 500+名
参加費: 一般参加:5,000円(税込)/学生:1,000円(税込)

gocon.jp

会社でのGoの活用とスポンサーの理由

弊社では、バックエンドのマイクロサービスや、インフラを支える社内向けツール開発など、幅広い領域でGoを活用しています。
シンプルで堅牢な言語仕様は、小さなチームでも大規模サービスを安定して運用するのに欠かせない存在です。

そうした背景から、「Goコミュニティの発展は会社の技術基盤そのものの強化につながる」と考え、Go Conferenceのスポンサーを続けています。
スポンサーシップは単なる広告や採用のための活動ではなく、「Goを支える文化を一緒に作っていきたい」という姿勢の表れでもあります。

一方で、弊社のプロダクト開発の多くはこれまでRubyやRuby on Railsで開発されることが多かったことも事実です。
実際に、カンファレンスやイベントなどでお会いする方からは「Rubyの会社だと思っていた」と言われることがありました。
このように世間一般の認識と我々の実態のズレを少しでも埋めるためにイベントに参加したり、カンファレンスに登壇したりとさまざまな活動を通じてPRをしてきました。

PRだけでなく、コミュニティの発展のためにGoコミュニティに弊社オフィスを会場提供したり、昨年は非公式ながらGo Conference 2024の前夜祭を東京オフィスで開催したり、さまざまな取り組みをさせていただきました。

moneyforward.connpass.com

Goの魅力をお伝えするとともに、会社として気持ちよくスポンサーできるようこれらの取り組みを日々行っています。
(本記事もGoを使っている企業だというPRとGoコミュニティに対するコントリビューションの一環だと考えています)

sponsored by Money Forward

当日の体験:他社エンジニアとの交流から

イベント当日は受付の対応をしながら、多くの参加者の方と直接お話しする機会がありました。特に印象的だったのは、他社エンジニアとの交流です。
スポンサーブースの受付と実行委員を兼務していた関係からあまり長く話すことはできませんでしたが、さまざまなエンジニアの方と意見交換ができ、非常にいい刺激を受けました。

また、元同僚がいる他社のスポンサーブースを訪れたり、登壇するセッションを聴講する機会もあったりと、再開を懐かしむ場面もありました。
その他にも、知り合いのエンジニアの方や昨年Go Conference 2024を手伝ってくれたスタッフの方ともお話しでき、貴重な時間を過ごせました。

We can meet a lot of Gophers

特に印象的だったことの1つに外国籍エンジニアの方との交流があります。
運営スタッフとしてSNSの投稿の英語化や公式サイトの英語化に協力してくれたBlamiさんやGophers Slack.comでチケット購入について相談を受けていたJohanさん、昨年も登壇してくれていたGuptaさんと交流できました。
拙い英語かつ短い時間でしたが、彼らと交流し、Goの世界がワールドワイドであることを改めて実感しました。

ぼく自身は英語が得意ではありませんが、この1年で英語で交流することに対する抵抗が随分と減っていることが実感でき、成長を感じました。

運営側から見えたGoエンジニアの熱量

スタッフとして会場を動き回る中で改めて感じたのは、Goエンジニアの熱量の高さです。

セッション終了後には登壇者の周りに質問する方が集まっていたり、普段異なる部署で働く同僚と登壇者の方がセッションを聞いた感想や質問に応じていたり、交流の架け橋になっている様子を感じ取りました。
廊下やブースでも自然に立ち話が始まり、コードや設計の議論に発展していく姿や知り合いと旧交を温める姿があちこちで見られました。

参加者の方々は単なる聴講者ではなく、自分たちでGoの未来を形づくっていこうという当事者意識を持っており、その熱気に触れて「コミュニティの一部でいられる」ことの喜びを強く感じました。

また、観測範囲の問題かもしれませんが、多くの学生の方が参加されている様子が見受けられました。
SNSでは「ベテランが多く若者が少ないのではないか」という声を見かけましたが、個人的には真逆の印象を受け取っています。
実際のところはわかりませんが、他カンファレンスと比べて極端に少ないということはないと考えています。
このように感じているのは、運営スタッフにも学生の方が多く参加されていた影響かもしれません。

また会期中に「滋賀にGoコミュニティを作りたい、最近開設された和歌山のメンバーとも連携していきたい」と未来のコミュニティオーガナイザーの勢いを感じることができ、喜ばしい気持ちになりました。

Where are you from?

スポンサーとしての意味、個人としての学び

スポンサーとして関わる以上、もちろん会社のPRも大切です。
弊社では、お金を出すだけのコントリビューションではなく、実際に手を動かす実践のコントリビューションが求められています。
昨年ブースの抽選から外れてしまったため「今年こそブースを出すぞ!」と話していましたが、残念ながら2年連続で抽選から外れてしまいました。
ですが、「その分は運営スタッフとしてカンファレンスを盛り上げよう!」と考え、会社としての実践ではなく、コミュニティとしての実践を目指しました。

ところが今回、自身の力不足が原因で多くの方に対してご迷惑をおかけしてしまいました。
具体的には、チケット販売に対する情報提供が不十分であったため、社内のメンバーから「会社経費でチケットを購入しようとしたら売り切れてしまった。もっと事前に情報を知らせるようにしてほしい」とのフィードバックを受けました。
同様の指摘はスポンサー企業の方や知人のエンジニア、アンケートの回答にも現れていました。

この度、ぼくの見通しの甘さにより、皆さまにご迷惑をおかけしたことを大変申し訳なく思っております。
チケット販売に関して、多くの方にご不便と不信感、そして失望感を与えてしまったことを心よりお詫び申し上げます。
次回、Go Conference 2026では今回の反省を活かしたチケット設計になるよう尽力いたします。

チケット有料化の背景とノーショー率の軽減

今回、Go Conferenceで初めてチケット有料化を導入したため、当初チケットの販売速度は緩やかなものになると想定していました。
ところが、実際にはチケット開始から4日ほどで一般参加の方のチケットが完売してしまいました。

そのため、チケットが購入できず参加を見送らざるを得なかった方が多数出てしまいました。
Go Conference 2025でチケットを有料化した背景に関してはいくつか理由があります。
今後イベント会場を借りるとなったときの会場経費であったり、海外から著名なゲストを招待したり、日本国内の方を対象としたスカラーシップの開催であったりを検討しています。
1 「日本全国にGoを普及するために、もっとできることはないか」とGo Conference実行委員で考えた結果、今回のチケット有料化に踏み切りました。

その他にもチケット有料化に関して考えていた理由があります。
それは「ノーショー(チケットを受け取っているにもかかわらず、当日現れないこと)率を下げる」ことです。

残念ながら昨年Go Conference 2024では、少なくない方のノーショーを確認しています。
この比率は、東京で開催されるイベントの一般的なノーショー率と同程度でしたが、大規模なカンファレンス運営を考慮したときに無視できない問題だと捉えていました。
そこで、参加するモチベーションがより高い方が参加でき、キャンセル率を下げる布石はないか考えました。
その内の1つが、チケット有料化です。

ノーショーの発生率軽減はあくまでチケット有料化の理由の1つでしかありませんが、結果として今回のノーショー率は昨年に比べて大幅に下がりました。
多くの方にご迷惑をおかけした点もあります。一方で昨年に比べて参加していただける方の数は絶対数としては増やすことができました。
チケット有料化に関して、さまざまな点でご迷惑をおかけし、事前の説明が不足していたことを申し訳なく思っております。
反省すべき点は反省し、良かった点は次回に引き継いでいきたいと思います。

おわりに

Go Conferenceは、単なる技術イベントではなく、技術と知識、そしてGoを愛する人々が交流する特別な場所なのだと実感しました。
今回スタッフとして関わることで、Goコミュニティの大きさと強さ、そして関心を改めて感じ、エンジニアとしてのモチベーションも一層高まりました。

一方でチケット設計に代表されるように、自らの力不足によってご迷惑をおかけする事態に発展しました。
多くの方にご迷惑をおかけしてしまい、反省をしております。

大きなトラブルや事故がなく無事開催できたのは参加者さまや登壇者さま、スポンサーしてくださった企業さま、そして協力してくれたスタッフ全員のおかげです。
運営スタッフを担うことの責任の重さを改めて認識するとともに、次回、Go Conference 2026に反省を活かしていきたいと思います。

次回は、この記事を読んでいる皆さんも参加できるような善処をしたいと考えております。
現実的に全員が参加できる規模ではないかもしれませんが、可能な限り多くの方にご参加いただけるよう善処する所存です。
引き続き、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは、また来年Go Conferenceの会場でお会いできることを楽しみにしています。

I'm looking forward to meet you at Go Conference 2026


  1. 現時点では海外ゲスト招待もスカラーシップ制度も未定です。開催回場所も同様に未定ですが、有料のイベント会場を借りる方向で調整しています。