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チームの垣根を越えて実現!マネーフォワード関西拠点CTFイベント 〜マネージャーたちが語る企画のプロセスと展望〜

〜マネージャーたちが語る企画のプロセスと展望〜

マネージャー陣が集合しているOGP画像

2025年4月10月〜11日に、マネーフォワード 関西開発拠点 1(以下、関西拠点)所属のエンジニアを対象としたチーム横断型の技術イベント「マネーフォワード関西拠点CTFイベント」を開催しましたのでその様子をレポートします。

CTF(Capture The Flag:旗取り合戦)は、情報セキュリティのスキルを競い合うセキュリティコンテストです。
参加者は与えられた課題の中から隠された「FLAG」と呼ばれる文字列を見つけ出し、得点を競います。
また、さまざまな課題のジャンルや競技スタイルを提供できるCTFは「楽しみながら学ぶ」セキュリティ学習の場として機能します。
本記事では企画・運営を担当したマネージャー3名へのインタービューを通じてイベントの裏側や関西拠点の今後の展望についてお伝えします。

プロフィール

矢野 雄大/ERP開発本部 大阪開発部 部長(写真:右)

2024年5月にマネーフォワード 大阪開発拠点にジョイン。現在はERP開発本部 大阪開発部 部長として主に「マネーフォワード クラウド会計Plus」開発チームの組織開発やマネジメントを行う。東京、ベトナム、インドのチームとともにグローバルな開発チームの課題解決に挑戦している。

岡本 洋輔/業務基盤開発本部 API基盤部(写真:中央)
2020年10月にマネーフォワード 京都開発拠点にジョイン。組織横断課題の解決などに従事する傍ら、APIの分野に注力するためにAPI基盤部を立ち上げ、部長としてマネーフォワード クラウド全体の課題解決を行う。現在は部長職を後任のメンバーに託し、新たな横断課題に取り組んでいる。

山口 剛史/Group Management Solution本部 副本部長(写真:左)

2022年8月にマネーフォワード 大阪開発拠点にジョイン。マネーフォワード クラウド連結会計プロダクト立ち上げメンバーとして参画。現在は同プロダクトのエンジニアリングマネージャーとして、関西とベトナム(ハノイ)の2拠点にまたがるグローバルなチームのマネジメント・組織開発に取り組む。
プロダクトの成長とともに、エンジニアの自律性を引き出し、価値提供を加速する開発体制づくりにチャレンジしている。

「チームの垣根を越えて」〜関西拠点初の横断型イベント〜

本日はイベントの裏側についてお話をお聞きしました。

Q:今回のCTFイベントを企画したきっかけを教えてください

岡本:

私が入社する前ですが、かつてマネーフォワードには、全エンジニアが集まる開発合宿という文化がありました。現在は組織の規模が大きくなり全社での開催は難しくなりましたが、大阪開発拠点長の大倉さんとの対話をきっかけに「関西から新しい文化を作ろう」という発想が生まれました。

「Give it a try!(やってみよう!)」という関西拠点のコンセプトにも合うのと、単純に「開発合宿」という響きが良くやってみた軽いノリもあります。笑

関西だけに絞れば予算も安く済むだろうと思い、そこから関西在籍のエンジニアに特化したイベントとして企画がスタートしたのです。

Q:今回の起案は洋輔(岡本)さんが行ったと聞きました。最初から矢野さんと山口さんをお誘いするつもりだったのでしょうか?

山口:

運営に入るきっかけは大倉さんからの声かけでしたが、普段はチーム単位での活動が中心なので、拠点全体で何かを作り上げる経験に興味がありました。また、関西マネージャーの連携を強化する良い機会だとも感じましたね。

岡本:

マネージャー同士もオフィスで挨拶する程度の関係でしたよね。メンバー間のつながりが強化されることや新たなコラボレーションが生まれることを期待した大倉さんの采配です。

矢野:

私は単純に面白そうだと感じたことが大きいです。私自身、昨年入社したばかりで知らないメンバーも多いので、人となりを知る良いきっかけになると思いました。

Q:チーム横断型の取り組みにした理由はなんですか?

矢野:

様々なスキルや経験を持つメンバーが交わることで、新しい価値が生まれると考えています。また、マネージャーとしても、メンバーの可能性や適性を広い視野で見られる利点がありますね。

山口:

実際、1on1でキャリアの相談を受ける際には、他チームの雰囲気や仕事の進め方、そしてどんなスキルを持ったメンバーがいるのかといった情報を知っていることで、より実践的で価値のあるアドバイスができるようになります。
たとえば、「この人なら○○チームのマネージャーと相性が良さそう」「今のチームよりも、あのチームでやりたいことに近い経験が積めそう」といった具体的な提案がしやすくなります。
キャリアの話だけでなく、日々の業務で困ったときにも「その分野なら××さんに聞いてみるといいよ」と紹介できるなど、支援の幅も広がります。

関西拠点全体としてより強くなっていくためには、こうした“お互いを知ること”がとても重要だと考えています。
「この人、次はうちのチームで活躍できそう」「あの人、今のチームよりもこっちに来たほうが力を発揮できるんじゃない?」といった会話が自然に生まれるようになると、チーム間の垣根も下がり、拠点全体で最適な配置や成長の機会を提供しやすくなります。

会議室でインタビューを受ける運営メンバー
左から山口さん、矢野さん、岡本さん

準備から本番まで 〜想定外の苦労と予想以上の盛り上がり〜

Q:イベントの内容はどのように決めましたか?

岡本:

事前に参加者へのアンケートを元に検討した結果、CTF形式を採用しました。
開催にあたって、こちらで工夫した一つのポイントは、参加者が問題を作る側と解く側の両方を体験できるようにしたことです。
これにより、両方の視点から学べる貴重な機会を提供できたと思います。

Q:準備段階で特に苦労したことは?

岡本:

CTFの実行環境構築ですかね。構築には予想以上の時間がかかりました。当初3日程度で完了する見込みの作業が、実際には10日ほどかかってしまいました。
ただ、その分いい感じに基盤が作れたので、当日はリアルタイムでスコアが確認できるシステムを実現できました。

「マネージャーがそんなに開発作業に没頭していていいのか?」という疑問が湧くかもしれませんが、AIにコーディングを任せるVibe Codingの力を自分自身で体感しておく、という学習も兼ねています。笑

Kansai CTF 2025 ランキングスコア

Q:当日の様子で特に盛り上がったことなど、印象に残っていることはありますか?

矢野:

印象的だったのは、競技終了後の光景です。
ある問題を解いたチームの周りに他のチームのメンバーが自然と集まり、解法について熱心に質問し合う姿がありました。
「どうやって解いたの!?」と声が上がり、解いたチームのまわりには人だかりができる――まさにチームの垣根を越えて、自然なかたちで交流が生まれた瞬間でした。

山口:

普段の業務ではなかなか見られない一面を発見できました。
特に、技術的なチャレンジを楽しむメンバーの生き生きとした表情が印象的でしたね。
また、チーム編成も効果的で、英語でのコミュニケーションも活発に行われていました。

矢野:

初対面のメンバーも多い中、チームの垣根を越えて自然と盛り上がる様子を見て、「このイベントを開催してすごく良かったな」とイベントの意義を実感しました。

CTFイベント1日目の集合写真
CTFイベント1日目の集合写真

唯一難しい問題が解けた"Team BLACK SANDER"が他チームから質問攻めにあっているシーン
唯一難しい問題が解けた"Team BLACK SANDER"が他チームから質問攻めにあっているシーン

Ookura Award(大阪開発拠点長により決定)を受賞した"Team Caffein overdose"
Ookura Award(大阪開発拠点長により決定)を受賞した"Team Caffein overdose

CTF Award(最も得点を獲得したチーム)は"Team 外人侵入"が受賞!
CTF Award(最も得点を獲得したチーム)は"Team 外人侵入"が受賞!

Q:参加者の反応はどうでしたか?

岡本:

アンケートでは全員から回答があり、「かなり満足」が59.1%、「満足」が40.9%という高評価をいただきました。
特に嬉しく感じたのは、作問時間が足りないという意見が多かったことです。
コードやプログラムを作るとき、完璧を目指すほど時間がかかってしまいますよね。
作問時間が足りないという意見は、皆が制限時間ギリギリまで全力でいいものを作ろうと真剣に取り組んでくれた証だと感じています。

イベント後の満足度結果

イベント全体の時間配分はどうだったか?のアンケート結果

未来への展望 〜関西拠点が目指す姿〜

Q:このイベントを通じて、参加者が得たものは何だと思いますか?

山口:

「チームメンバーへの新たなリスペクト」だと思います。
普段のアプリケーション開発では見えづらい技術力がこのイベントで可視化されました。
あるメンバーの専門的な知識に他のメンバーが驚き、自然とリスペクトが高まり、その後の日常業務でも良い影響が出ていますね。

矢野:

私は2つあります。
1つはチーム間のつながりの強化。もう1つは、セキュリティに関する実践的な学びです。
特に、実務に即した問題を通じてセキュリティの重要性を体感できたのは大きな収穫でした

岡本:

チーム横断型イベントでの楽しい交流は、日々の業務から一旦離れてリフレッシュできる貴重な機会です。
私としては、この経験を通じてメンバーが新たな活力を得て、それぞれの持ち場で一層活躍してくれることを期待しています。

Q:今後の関西拠点をどうしていきたいと考えていますか?

山口:

私のチームは以前と比べて大きく成長しています。
新メンバーの加入や、中川さんや近藤さんを始めとする中心メンバーの活躍により、拠点全体に目を向ける余裕が生まれてきました。
最近では、クラウド会計Plusの冨田さんと一緒にワークショップを開催するなど、チームの枠を超えた取り組みも始めています。

これからは個々のチームの成長に加えて、拠点全体の発展にも貢献していきたいと考えています。
若手の育成も含めて拠点を盛り上げる新しい世代を作っていくことが、私たちマネージャーの重要な役割です。

岡本:

単なるサテライトオフィスではなく、独自の価値を生み出せる拠点にしていきたいですね。
会社がグローバルに成長を続ける中で、地方拠点ならではの特色や強みを活かしながら、技術力と人間関係の両面で魅力的な拠点を作っていきたいと考えています。

矢野:

地方拠点ならではのメリットを活かしつつ、デメリットを最小限に抑えることが重要かなと。
関西で働くことを選んだメンバーが幸せに働けているというのがとても大切で、その選択に誇りを持ち、能力を最大限発揮できる環境を作っていきたいですね。

おわりに

今回のCTFイベントは、関西拠点の新たな一歩となりました。技術力の向上だけでなく、チーム間の垣根を越えた交流が生まれ、拠点全体の一体感が強まりました。

マネージャーたちの「関西拠点を盛り上げたい」という思いは、確実に形になりつつあります。
これからも「Give it a try!」の精神で新しい取り組みにチャレンジしていく関西拠点に、ぜひご注目ください。

この記事を通じて、イベントの楽しさや意義が伝わって、次のステップへのヒントになれば嬉しいです。
読んでいただき、ありがとうございました!

関西拠点ではエンジニアを募集しています。

hrmos.co

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kyoto.moneyforward.com


  1. 京都開発拠点と大阪開発拠点、2つを統合した呼び方です。