はじめに
こんにちは、「マネーフォワード Pay for Business」のiOSアプリ開発を担当しているサカイです。
本記事では2025年4月9日〜4月11日に開催されたtry! Swift Tokyo 2025の参加レポートをお届けします。
try! Swift Tokyoとは、Swiftを用いたソフトウェア開発に関する国際カンファレンスで、国内外から開発者が集まります。今年は立川ステージガーデンにて開催されました。
マネーフォワードの取り組み
マネーフォワードは今年のtry! Swift Tokyoにてシルバースポンサーを務めておりました。 また、弊社のiOSエンジニアも複数名参加しており、各々がトークの聴講や参加者との交流を通してカンファレンスを満喫していました!
マネーフォワードはtry! Swift TokyoのSilverスポンサーです 🎉
— Money Forward Developers (@moneyforwardDev) April 9, 2025
本日より3日間開催されマネーフォワードの社員も参加しているので気軽にお声がけ下さい 😆
オレンジの目立つTシャツを来ているのが弊社メンバーです!🤣#tryswift pic.twitter.com/kLPgMBJtOY
トークの感想
今年のtry! Swift Tokyoでは、昨年よりも多い約三十のトークがありました。
ここでは、その中で個人的に印象に残ったトークを二つ紹介します。
全てのトークはYouTubeにて公開されており、すぐに見ることができます。ここで紹介するもの以外にも素晴らしいトークがたくさんありますので、興味のある方はぜひご覧ください。
ちなみに、動画の公開がカンファレンス終了後すぐに行われていたため、記憶が新鮮なうちに見返すことができて大変便利でした。
SwiftUI APIデザインの教訓: 手続き型APIと宣言型世界の橋渡し
SwiftUIを利用してアプリを作り始めて何年も経ち、宣言型のAPIにもすっかり慣れてきました。しかし開発したい機能によっては、手続き型APIを利用する場面が今でも多々あります。
私たちが開発している「マネーフォワード Pay for Business」のiOSアプリの中で例を挙げるならば、サービス利用前の本人確認における顔写真の撮影機能がその一例です。
この機能はVisionKitを用いた顔認識を用いており、期待通りに顔が写っていることを確認した上で写真を撮影する仕組みです。
まさにSwiftUIとAVFoundationを組み合わせて実装しているのですが、やや複雑度が高くコードの理解が難しい状態であるため、ちょうどリファクタリングを検討しているところでした。
そんな中で同じ題材を利用したこのトークがあったことは幸いでした。既存コードの課題をたくさん見つけることができ、大変有意義な時間となりました。
Swift × Android: Skipが切り拓くクロスプラットフォーム開発の未来
こちらはSwiftとSwiftUIを用いてAndroidアプリも開発できる、Skipというツールに関するトークです。
私は個人開発においてSwiftで開発したiOSアプリを運用しています。これをAndroidアプリとしても提供するために、FlutterやReact Nativeのようなマルチプラットフォーム向けのツールでリプレイスすべきか、Kotlinを学習してAndroidアプリを新しくリリースすべきか、という葛藤を長年抱えていました。
しかしそのどちらの案を採用したとしても、開発・メンテナンスコストが増加することは避けられず、SwiftでiOSアプリを作りたいという好みを反映させた活動ができないことから、一歩を踏み出せずにいました。
そこで本トークのトピックであるSkipに注目していました。
ここで話されているように、Skipが前述した課題に対する現実的な解決策となりつつある一方で、多少の問題点があるのもまた事実だと思われます。しかしSwiftを好むエンジニアにとって大変ありがたい技術であることには間違いないため、今後もその動向を見守りたいと感じています。
おわりに
今回のtry! Swift Tokyoでは、会場が渋谷から立川に変更になるなどの大きな変化がありました。それらがカンファレンスの体験に与える影響について、開催前には若干の不安がありました。
しかし蓋を開けてみると、カンファレンスの充実度は今年も高く、素晴らしいスピーカーの皆様によるトークや参加者の方との交流を例年以上に楽しむことができました。
来年もまた参加できることを楽しみにしています!