みなさんこんにちは。 伊藤(クック)です。PFM(Personal Financial Management)を担当しています。
企業内でのデータ活用が叫ばれて久しいですね。 最近はDeep LearningのブレイクスルーでAIや人工知能というワードが飛び交ったりしていますが、いかがお過ごしでしょうか。
AIなども広義ではデータ分析の枠組みであり、どのようにプロジェクト化していけばいいかわからないことだらけですよね。 そんな方向けの素晴らしい書籍を最近知人が翻訳し、ご恵贈いただいたので、今回ご紹介いたします。
データ分析プロジェクトの手引 Commercial Data Mining Processing, Analysis and Modeling for Predictive Analytics Projects
分析プロジェクトまでの道のりは長い
データ分析を行い、それをビジネスの拡大に役立てようという動きも多いと思います。 担当者はそのような指示を受けてプロジェクトを始めるのですが、そこでふと気付きます。
「何から手をつけたら良いのだろうか...」
本書では、そんな悩みを解決します。
まず、ビジネス課題の定義からプロジェクトの指針を定め、3章から7章までを使ってデータの準備についての解説がなされます。 一般的な分析本ではこれらの一連の準備に関する解説がなく、戸惑ってしまうケースも多いのですが、この点をカバーしている点は素直に褒めるべきでしょう。 (特筆すべきは5章のデータの質における記述です。)
8章では一般的なデータ分析手法の話や可視化の話が展開され、9章で機械学習などのモデリングの話が紹介されます。 10章でそれらのレポーティングやシステム開発の話が紹介されていきます。 11章から19章は背景知識や特殊なデータマイニングについて触れられています。
タイトルを見てピンときた場合には深堀りしていくと良いでしょう。 個人的にはプライバシーと匿名化に関する情報に1章を割いている点は素晴らしいと感じました。 活用を推奨する書籍でこのテーマに触れられる書籍は多くないからです。
また巻末にはケーススタディが3つ掲載されています。 ここまで読み進めたらイメージが湧きやすいでしょう。
本書には近年の流行であるDeep Learning関連のアルゴリズムやxgboostやRandomForestなどのアンサンブル学習などの最新アルゴリズムの掲載はありません。 そのような話題を求めるのであれば、別の書籍にあたることをオススメします。
難点をあえて挙げるのであれば、19章で紹介されるデータ分析環境として、IBM社のSPSS Modelerというデータマイニングツールが紹介されています。 このツールはエンタープライズ利用であり、導入にはそれなりの費用がかかるため、すべての読者には対象とならない代物となってしまうでしょう。 RやWekaなどのフリーソフトウェアでの代替を検討すると良いでしょう。
本書はあくまでもビジネスにおけるデータ分析プロジェクトを実施する際に通る道のガイドブックです。
このような目的に合致する方はぜひ手に取ってみてください。
目次紹介
第1章 はじめに 第2章 ビジネス課題 第3章 さまざまなデータソースや情報を組み合わせる 第4章 データ表現 第5章 データの質 第6章 変数の選択と因子の推定 第7章 サンプリングとパーティショニング 第8章 データ分析 第9章 データモデリング 第10章 システムの開発:クエリレポーティングからEIS および 第11章 テキストマイニング 第12章 リレーショナルデータベースと連携したデータマイニング 第13章 CRM分析 第14章 インターネット上のデータを分析する1-ウェブサイト分析とインターネット検索 第15章 インターネット上のデータを分析する2-検索体験の最適化 第16章 インターネット上のデータを分析する3-オンラインソーシャルネットワーク分析 第17章 インターネット上のデータを分析する4-検索トレンドの時系列変化をつかむ 第18章 データにおけるプライバシーと匿名化技術 第19章 ビジネスデータ分析のための環境整備 第20章 おわりに
最後に
マネーフォワードでは、データドリブンにサービス開発したいエンジニアやデータサイエンティストを募集しております。 ご応募お待ちしております。
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